2016年5月1日日曜日

各地区の祭、琵琶湖八珍

旬のもの
・もろこ 早春に取れる体長10センチほどの子持ちモロコは最も味がよい。
・手長海老 9月から11月頃に琵琶湖で取れる手長海老とのかき揚げは美味しい。
・竹の子ご飯 4月から5月にかけて取れる新芽の竹の子のご飯は美味しい。
・わけぎ  別名3月ものといわれ、ねぎより細く柔らかでぬめりが少ないので
      扱いやすい食材です。
・イタドリ 4月末から5月初めにかけて取れるイタドリは皮をはぎ、節の部分を
      つぶして加工すると美味しい。
・ハス   琵琶湖原産の魚であるが、味噌炊きや煮つけにして夏の食材として使う。
・ごり   夏にごり汁や佃煮にすると美味しい。
・小あゆ  5月から川を遡上する鮎はてんぷらなどで食べると美味しい。
・干しズイキ 里芋の茎を天日干ししたもの。
・あめうお  ビワマスが10月ごろ、産卵のため川を遡上する時は、体の色が変わり
       これを「あおうめ」と読んでいます。
・むかご  やまいもの葉の付け根にできる珠芽です。秋の季節にはむかごご飯として
      食べます。
・いさざ煮  イサザは体長5センチほどの小魚。冬の季節、てんぷら、すき焼きなど
に
       食材として使われます。
・氷魚    鮎の幼魚ですが、細く白く味も淡白であっさりとしています。
・クレソン  クレソンは繁殖生があり、冬でもあり、これと鴨のクレソン鍋は美味し
い。

1)祭り
①小野
小野神社のしとぎ祭り
小野神社は、古代氏族である小野一族の始祖を祀り、飛鳥時代の創建と伝わる。
小野妹子・篁(たかむら 歌人)・道風(書家)・などを生んだ古代の名族小野氏の氏
神である。推古天皇の代に小野妹子が先祖を祀って創建したと伝える。
境内に小野篁神社(本殿:重文)がある。また近くの飛地境内に道風神社(本殿:重文
)がある。道風は、書道家として、当時は著名3人の1人に数えられた。埼玉の春日井
も関係がある。平安時代には、小野氏同族の氏神として春秋に祭祀が行われており、
平安京内に住む小野氏や一族がこの神社に参向していた。
境内から石段で高くなった本殿前の空いたスペースに、この神社の祭神・米餅搗大使主
命にちなんで、お餅が飾られている。
毎年10月20日には、全国から餅や菓子の製造業者が自慢の製品を持って神社に集まり
「しとぎ祭」が行われる。米餅搗大使主命は応神天皇の頃、わが国で最初に餅をついた
餅造りの始祖といわれ、現在ではお菓子の神様として信仰を集めている。
参道入口に「餅祖神 小野神社」と刻まれた道標がある。
②和邇
和邇祭り
5月8日には旧六か村の和邇祭が行われます。これは近世の和邇庄の
成り立ちに関係します。庄鎮守社としてこの天皇神社(天王社)の境内には、
各村の氏神が摂末社としてあります。天王社本社(大宮)は和邇中、今宿、
中浜は樹下(十禅師権現)、北浜は三之宮、南浜は木元大明神、高城は
若宮大明神があり、夫々の神輿を出します。

③守山
金毘羅神社の大祭
毎年3月10日に行われます。今から二百年前に守山の農家に金毘羅さんの
御神符が落ちてきて、その後海の守り神として祀ったといわれています。
数十年前までは大祭の日には村の辻辻に猿のぬいぐるみを吊るしたそうです。

④栗原
水分神社(みくまり)の祭り
当社は康元元年の創祀と伝えられ、元八大龍王社と称して、和邇荘全域の祈雨場
であった。応永三十五年畑庄司藤原友章が栗原村を領した際采地の内より若干の
神地を寄進した。元禄五年社殿改造の記録がある。尚和邇荘全体の祈雨場であった
のが、後に和邇荘を三つに分けて、三交代で祭典を行い、更に後世栗原村のみの
氏神となって現在に及んでいる。また当社には古くから村座として十人衆があり、
その下に一年神主が居て祭典、宮司が司る。この為古神事が名称もそのままに
残っています。
その主なものを記すと、神事始祭(一月十日)日仰祭(三月六日)菖蒲祭(六月五日)
権現祭(七月二十日)八朔祭(九月一日)ヘイトウ祭(九月二十八日)等があり、
八朔祭には若衆による武者行列がありました。
御田植え祭が6月10日にある。
八朔祭り
農作物の実りを祈願し、別名「たのみ節句」とも呼ばれています。
毎年9月一日に行われ、午後8時半ごろから行列を組み、氏神に
参拝します。
  
5)木戸
樹下神社の例祭
この比良神は古く比良三系を神体山として周辺の住民が産土神として
仰いで来た神であるが、この比良山に佛教が入って来ると、宗教界に大きな
位置をしめ、南都の佛教が入ると、東大寺縁起に比良神が重要な役割を
もって現れ、続いて比叡山延暦寺の勢力が南都寺院を圧迫して入って来ると、
比良神も北端に追われて白鬚明神が比良神であると縁起に語られ、
地元民の比良権現信仰が白山権現にすり替えられるのである。
(比良神は貞観七年に従四位下の神階を贈られた)
当社の例祭には五基の神輿による勇壮な神幸祭があり、庄内五部落の立会の
古式祭で古くより五箇祭と称され、例年5月5日に開催され、北船路の
八所神社の神輿とあわせ五基の神輿が湖岸の御旅所へ渡御する湖西地方
で有名な祭です。

6)比良
比良天満宮(北比良)と樹下神社(南比良)
国道161号線に面して建つ神社で境界もなく、参道が深い森の中へ導いていきます。
参道入口に樹齢300年の大きな神木・スジダイがあり、その左参道が樹下神社、
右の鳥居が天満宮です。境内に入ると二社の社殿がほぼ平行に並び建っています。
天満宮の祭礼は、北比良村が天満宮の御輿、南比良が十禅師社の御輿を担ぎ、神事の
執行は、両村の社役が交互で務めていました。しかし、この社役が着用する装束を
めぐり、相論が起こり、繰り返し起こり、二つの村が、一つの社を維持してゆくことは
困難として、明治5年(1872)に両社を分離し、それぞれの氏神とすることが
定められた。なお、比良天満宮の祭神は、菅原道真です。鳥居の前左右には、
天明4年(1784)建立の銘文が入った燈籠が建っていますし、樹木が囲む参道を進むと
「えま堂」や社務所、牛像に出合います。えま堂には神将形立像が安置されています。
例祭は4月25日小松地区の例祭と同時に行われ、一基の神輿は湖岸の御旅所へ
渡岸します。

7)南小松
八幡神社の祭礼
南小松の山手にあり、京都の石清水八幡宮と同じ時代に建てられたとされます。
木村新太郎氏の古文書によれば、六十三代天皇冷泉院の時代に当地の夜民牧右馬大師
と言うものが八幡宮の霊夢を見たとのこと。そのお告げでは「我、機縁によって
この地に棲まんと欲す」と語り、浜辺に珠を埋められる。大師が直ぐに目を覚まし
夢に出た浜辺に向うと大光が現れ、夢のとおり聖像があり、水中に飛び込み
引き上げ、この場所に祠を建てて祀ったのが始まりです。
春の祭礼(四月下旬)には、神輿をお旅所まで担ぎ、野村太鼓奉納や子供神輿
が出ます。また、この辺りは野村と呼ばれ、特に自家栽培のお茶が美味しいようです。
八朔祭(9月1日)が行われ、夜7時ごろからは奉納相撲が開催されます。
八幡神社の狛犬は、明治15年に雌(右)、明治 17 年に雄(左)(名工中野甚八作)
が作られ、県下では一番大きいといわれています。体長180センチ弱ですが、
左右違う、そのたてがみや大きな眼が印象的です。

8)北小松
樹下神社の例祭
創祀年代は不詳であるが、天元5年(982年)に佐々木成頼により日吉十禅師
(現日吉大社摂社樹下宮)を勧請したのに創まるとの伝えがあります。
明治3年(1870年)に十禅師社と称していた社号を、樹下神社に改めた。
境内社には、天滿宮、金比羅宮、大髭神社があります。
例祭は4月25日に行われます。



琵琶湖八珍
琵琶湖にはこの豊かな湖の魚を扱った特有の食文化がある。
琵琶湖にいる約80種の魚が生息していると言う。その湖魚のブランド
「琵琶湖八珍」に、ビワマス、コアユ、ニゴロブナなど8種の魚介類が選ばれた。
ほかにハス、ホンモロコ、イサザ、ビワヨシノボリ、スジエビが入った。
選ばれた8種のうち5種が琵琶湖固有種で料亭から家庭料理まで広く親しまれている。
なお、人気投票で上位だったウナギ、アユ(大アユ)、シジミなどは供給量や独自性
などの観点から外されたとのこと。
この志賀周辺でも和邇や北小松、さらに堅田の港では、数が少なくなったものの、
これら八珍のいくつかを今でも獲っているので、湖魚の専門店もあり、様々な
料理でそれを味わう事が出来る。
また、琵琶湖八珍の中で、「コアユ」「イサザ」「ビワヨシノボリ」「ハス」
「スジエビ」などは、佃煮(甘露煮)などとして、全国に流通している。
「鮒鮨」の材料としての「ニゴロブナ」は加工品としても有名でもある。
「ニゴロブナ」や「ビワマス」に「ホンモロコ」は、滋賀県に住んでいても
滅多に口に入らない高級魚になっています。
こうした地域の魚料理を定めたものに、「宍道湖七珍」があり有名であり、島根県
が宍道湖(しんじこ)の魚の「宍道湖七珍」が選定された。現在の七珍は
「スズキ」「モロゲエビ」「ヨシエビ」「シラウオ」「コイ」「シジミ」である。
しかし、「ニゴロブナ」、「ビワマス」、「ホンモロコ」は、中々に口に入らない
高級魚になっている。

少しこれらを紹介すると、
1)「ニゴロブナ」は鮒鮨(ふなずし)に使われるが、近年は産卵場所の減少や
ブラックバスやブルーギルなど外来魚の食害によって稚魚が食べられ漁獲高
は激減している。
鮒鮨はなれずし(現在のお寿司の元)であり、その匂いで受けつけにくい。
現に滋賀県に来て求めたものを、途中駅で開けて「腐っている」と捨てられた
という、笑えない話がある。
食べ慣れれば、日本酒にこれだけ合う肴はないと思うほど、深みのある味をして
いるが、贈答用だと30cmほどの子持ちで1万円ほどと結構高い。

2)「ビワマス」は「ヤマメ」の陸封タイプで、海に出ると「サクラマス」になる。
成魚になると70cm以上になり、その刺身はトロのように舌に絡まる味わいがある。
今が最盛期であるが、「ニゴロブナ」と同じく、中々漁で確保するのは、難しく
養殖されたものが主流となっている。今日はあるところで久しぶりにビワマス
を食した。刺身は相変わらず美味しかったが、燻製風にするとまた違う味
になると言う。

3)「ホンモロコ」は京料理に用いられる高級魚になっており、琵琶湖の貴婦人
の名に恥じことなく、その白焼きは絶品と評判である。
昔は、バケツにいっぱい釣れていたが、外来魚の食害のため最盛期の1/10以下
になっているとのこと。

4)「いさざ」。これは少し詳しく書こう。
イサザは、琵琶湖固有のハゼの一種で、昔からなぜか獲れなくなる時期が
あることから、漢字も「魚」偏に「少」と書いて「いさざ」と読ませている。
佃煮の他「じゅんじゅん」という鍋で食べられることが多く、白身でありながら
濃い味付けに負けない独特の風味があり、湖魚のなかでもファンが多数いる。
主な漁場は、琵琶湖でも水深が深い湖北が中心であり、長浜市にある尾上(おのえ)
漁港、竹生島(ちくぶしま)や琵琶湖の最北端に突き出た葛籠尾(つづらお)
半島が間近に迫る風光明媚な港で結構獲れる。
琵琶湖は、竹生島の南あたりで深くなっていますが、イサザの漁場もそのあたり。漁港
から船で5分ほど走ったところ、葛籠尾半島の先端である葛籠尾崎のすぐ近くにある。
イサザ漁は、主に冬季に沖(ちゅう)びき網で行われる。これは、長いロープの先端
に取り付けた網で底を引きずり、イカリで固定した船へ巻き上げるという、底びき網の
一種。湖底から獲られたイサザは、水面に出ると水圧の関係で、お腹を上にした状態で
浮き上がってくるので、それをすばやく網ですくいとる。
イサザ漁は、朝の6時頃に港を出発するが、最近はイサザも少なく、2回操業程度。
「昔は1回で50~60kgは獲れたが、概ね12~3kgぐらい」。
一時はまるでとれなかった時期があり、「幻の魚」といわれていたほどであり、
ここ数年で少し漁獲が盛り返してきましたが、最盛期にはまだまだ及ばない。
湖北名物、イサザの「じゅんじゅん」
イサザは、大豆と煮た「イサザ豆」や佃煮のほか、湖北地域では、すき焼き風に煮た
「じゅんじゅん」という料理でよく食べられる。「ネギと油あげ、麩を入れ、醤油と
砂糖で甘辛く煮る」のもよい。「イサザは、白身の淡泊な味でおいしく、特に秋から
1月頃のものは、骨も柔らかくておいしい」と言われている。

5)氷魚(ひうお)
冬だけにとれる特産品であり、氷魚(ひうお)と言われる鮎の稚魚で、大きさは
3~6cmくらい。体が氷のように透き通っているため、「氷魚」と呼ばれている。
氷魚は、釜揚げにするのが一般的。「しらす」のように熱を加えると白くなり、
身はしっとりしていて、舌触りは滑らか。そこはかとなく鮎とわかる繊細な味わいは、
琵琶湖の冬の味覚として愛されている。釜揚げのほかにも、かき揚げや佃煮など
でも食されている。
氷魚が主に水揚げされるのは、12月から3月頃まで。透き通っている氷魚は、
やがてウロコができ、体型も変化し、5月頃には小鮎(コアユ)と呼ばれる
ようになる。以前に近くの和邇漁港に行った時は、料理店などの専門業者に交じり、
近所の主婦数人が氷魚漁から帰る船を待ちわびている。自宅で釜揚げにするの
だそうだ。湖近くに住む人だけの贅沢な楽しみであろう。
漁船が帰港し、甲板に設けられた水槽の中には透明な氷魚が元気に泳いでいる。
すぐに漁港でハカリにかけられ、次から次へ、キロ単位でまたたくまに引き取ら
れていく。「3月のいまの時期は例年通りの漁獲量だが、今年の1月と2月は氷魚
は不漁だった。天候が悪く、船の出る日数が少なかった。でも、30年くらい前
とは比べ物にならないそうだ。当時は、船いっぱいにとれた」と言う。

琵琶湖独特の漁法のエリ漁。
「琵琶湖の漁には、季節や魚の種類によりさまざまな方法があるが、この時期の
氷魚は主にエリ漁」とのこと。
エリとは琵琶湖の伝統的な漁法で、定置網の一種で、湖岸沿いを走っていると岸
から沖合に向けて杭が並んでいるのが見られる。これを上から見ると、矢印のような
形をしており、これがエリ。湖岸近くに来た魚を矢印の両側に張出した「ツボ」と
呼ばれる部分に誘導し、ツボに仕掛けておいた網を引きあげて捕獲する漁法。志賀
町漁業協同組合では、丹出川(たんでがわ)から高島市の白鬚(しらひげ)浜あたり
までの湖岸22kmの間で15のエリがあるという。
氷魚漁の船は、水槽のある本船1隻が小舟2隻を伴って朝の6時くらいに港を出発し、
エリのツボに着いたら底網を機械であげ、残りの網を小舟に乗った漁師さんが手で
繰りながら引きあげていく。
「ゆで氷魚(ひお)」の作り方があり、塩分を効かせて固めにゆでた氷魚を陰干しで
2日間干す。「ちりめんじゃこの味の濃いようなものになり、旨い」とのこと。
また、生の氷魚をすき焼き風にして食べてもおいしい。

郷土料理としての存在
琵琶湖には、このように素晴らしい湖魚に対する食文化があり、これを支える食材
としての魚が生息している。まさに琵琶湖にしかない独特の食文化でもある。
全国、画一的な食文化と冷凍品による土地固有の味わい文化の衰退が進んでいる中、
その土地にしかない、しかも、その土地に行かなければ味わえない食べ物など、
稀な存在である。琵琶湖の湖性が生み出した、食文化の発信は、湖の湖と共に生きる
誇りを、外向けには琵琶湖に対するあこがれを醸しだすことになる。
更には、地域の野菜とのコラボレーションも郷土料理として多い。
琵琶湖では、畑の産物と琵琶湖の産物を併せた料理が多数伝えられている。
よくあるのが、スジエビと大豆を甘辛く煮き合わせた「エビ豆」であろう。
この他に、大豆と魚を炊き合わせた料理には「イサザ豆」「ウロリ豆」「ヒウオ豆」
等が広く食されている。米どころ近江では、水田の畔に豆を植えることが広く
行われていた。「**豆」は、この豆と、琵琶湖の魚が合わさり生まれた料理
なのだろう。
この食文化は、琵琶湖の漁師の多くが農業にたずさわり、農民が漁業を行うという
伝統に根ざしている。更には、野菜との組み合わせでは、「ジュンジュン」と称される
料理が広く食されている。「ジュンジュン」とは「すき焼き」のことである。
「牛のジュンジュン」は無論「カシワのジュンジュン」のような肉類の他に、ウナギ、
イサザ、ナマズ、コイ等々、多くの湖魚がジュンジュンとして食され、多量の野菜
と共に煮込まれる。
また他の地域に比して、琵琶湖では、コアユの仔魚である「ヒウオ」、「ビワ
ヨシノボリ」の仔魚である「ウロリ」、ハスの稚魚である「ハスゴ」等が盛んに
捕られ消費される。
さらに、イサザ、スゴモロコ、コアユのような小型の魚も盛んに漁獲され利用
されている。このような小型の魚を集中的に利用する食文化も、琵琶湖の特徴で
あろうし、伝統的な調理技術に「ナレズシ」がある。塩漬けした魚を御飯に合わせて
乳酸発酵させた食品で、現在の日本人が愛してやまない「スシ」の原型の食である。
そしてその代表がフナズシである。 
以上のように、
琵琶湖には、実に多様な湖魚に対する食文化が生まれ、継承され、商品として売られ
たり、一般家庭の郷土料理として生きている。
しかし、「琵琶湖の魚が泳いでいる水は、我々近畿圏の多くの人たちが飲んでいる水
である」という事実であり、魚が気持ちよく育つ琵琶湖であり続けることが重要
となる。琵琶湖八珍はそれを知ってもらう一つの手段でもある。

ハス魚田
みそ炊きや煮付け料理が美味しい。
ハス (魚偏に時)
 分 類  コイ目・ コイ科・ダニオ亜科・ハス属
 学 名  Opsariichthys uncirostris
 英 名  Three-lips
 分 布  日本や朝鮮半島、アムール川水系、中国の長江水系より南など
 生息地  遊泳性が強い
 全 長  30~35cm 程度
 別名・地方名  ケタ、ケタバスなど
 備 考  背びれ・3棘7軟条、しりびれ・3棘9軟条、側線鱗数・46~62
 保護状態  環境省レッドリスト・絶滅危惧Ⅱ類
  
ハスはコイ科に属する淡水魚で、日本のほか、朝鮮半島や中国の湖沼や大きな遊水池な
どのほか、河川の中流から下流にかけて生息している。

体は側扁していて細長く、側線は中央より下に湾曲して縦走している。
しりびれが大きく、幼魚ではオイカワと似ているが、ハスの口は特徴的な「へ」の字形
に曲がっているので見分けることが出来る。
この口は吻端に上を向いて開いているが、下顎は吻端で突出していて、両側にはくぼみ
があり上顎とかみ合っている。
また、口ひげはない。

体色は背側では青みを帯びているが、体側と腹側は銀白色で、雄は雌よりも大きくなる
。
繁殖期にはオイカワやカワムツに似た婚姻色が現れ、雄では頭部や腹部、各ひれが赤っ
ぽくになり、しりびれ前方の軟条が伸びて大きくなる他、頭部と尾柄部、しりびれには
多くの追星が現れる。

仔稚魚では動物プランクトンや底生の小動物を食べるが、ハスは成魚になるにつれて、
コイ類やハゼ類などの小魚を食べ、コイ科の中では珍しく魚食性である。

警戒心が強く、群れを成して生活しているが、移動・遊泳能力に優れていて動きも素早
く、同じ魚食性の淡水魚であるナマズやドンコなどとは違って、獲物を追いかけて泳ぎ
回る。
また、琵琶湖などでは沖合いの表層近くを泳ぎ、小魚などを追って水面を飛び跳ねるの
が見られるが、ハスは昆虫なども捕食する。

普通は5月下旬から8月中旬頃にかけて、水の澄んだ湖岸や流入河川の流れの緩やかな水
深5~20cm程度の砂や砂礫底に産卵する。
産卵は昼間に行われるが、1年程で体長6㎝、2年で13㎝、3年で20㎝程に成長し、完全に
成長すると体長30~35cm程になる。

国内での分布域は琵琶湖・淀川水系と福井県三方湖に在来分布しているが、ワタカなど
と同様、琵琶湖産アユの放流種苗に混入して、利根川などの関東地方や長良川・木曽川
などの濃尾平野のほか、中国地方や九州地方にも分布を広げている。
ハスは魚食性のため、移入による在来魚類への影響が懸念されているが、近年はブルー
ギルなどの外来種の脅威も取り上げられている

白身で初夏に美味しいとされ、投網や刺し網、釣りなどで獲り、塩焼きやみそ焼き、天
ぷらなどにして食べられるが、食用魚としての価値は低い。

また、ハスは朝鮮半島やアムール川水系、中国の長江水系より南や海南島、また台湾な
どにも亜種が分布しているが、在来のものは近年生息数が減少していて、環境省のレッ
ドリストに絶滅危惧種・Ⅱ類として指定されている。

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