二十四節気(にじゅうしせっき)は半月毎の季節の変化を示していますが、これをさら
に約5日おきに分けて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候(しちじゅ
うにこう)です。二十四節気と同じく古代中国で作られました。二十四節気が古代のも
のがそのまま使われているのに対し、七十二候は何度も変更されてきました。
日本でも、江戸時代に入って日本の気候風土に合うように改定され、「本朝七十二候」
が作られました。現在主に使われているのは、明治時代に改訂された「略本暦」のもの
です。
ちなみに「気候」ということばは、この「節気」と「候」からできています。
※二十四節気について詳しい説明はこちらをご覧ください。 → 二十四節気
七十二候の名称は、気候の変化や動植物の様子が短い文で表されています。私たちの暮
らしでは目にする機会の少ない事象もありますが、おおかたはその時期の「兆し」を伝
え、繊細な季節のうつろいを感じさせてくれます。
永楽屋の二十四節気
http://www.eirakuya.co.jp/ja/24sekki/
七十二候のもう少し詳細
http://cazag.com/381
西近江しんぶん
http://nishioumi.ct-net.com/index1.shtml
春
山笑う
二十四節気「立春(りっしゅん)」
・東風解凍(はるかぜこおりをとく)2月4日頃
春の風が川や湖の氷を解かし始める頃。「東風」(こち)とは春風を表す代名詞。
→蕗のとう
・黄鴬?睆(うぐいすなく)2月9日頃
山里で鴬が鳴き始める頃。春の訪れを告げる鴬は「春告鳥」(はるつげどり)とも呼ば
れます。
→さやえんどう、梅
・魚上氷(うおこおりをいずる)2月14日頃
水がぬるみ、割れた氷の間から魚が飛び跳ねる頃。春先の氷を「薄氷」と呼びます。
→あまご、山女魚、岩魚。めじろ。明日葉。谷汲み踊り。
二十四節気「雨水(うすい)」
・土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)2月18日頃
雪がしっとりとした春の雨にかわり、大地が潤い始める頃。「脉」は脈の俗字です。
→春キャベツ。
・霞始靆(かすみはじめてたなびく)2月23日頃
春霞がたなびき始める頃。春の霞んだ月を「朧月」(おぼろづき)と呼びます。
→辛子菜。
・草木萌動(そうもくめばえいずる)2月28日頃
草木が芽吹き始める頃。催花雨、草の芽が萌え出すことを「草萌え」(くさもえ)
とも言います。また、木々についても木の芽起こし、木の芽萌やしとも言います。
→緑繁縷(はこべ)、菜花。
二十四節気「啓蟄(けいちつ)」
・蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)3月5日頃
戸を啓いて顔を出すかのように、冬ごもりをしていた生きものが姿を表す頃。
→わらび、ぜんまい、菫(すみれ)。鰆。
・桃始笑(ももはじめてさく)3月10日頃
桃の花が咲き始める頃。花が咲くことを「笑う」と表現、「山笑う」は春の季語です。
→梅、桃、新たまねぎ。さより。
・菜虫化蝶(なむしちょうとかす)3月15日頃
青虫が紋白蝶になる頃。「菜虫」は菜を食べる青虫のこと。菜の花が咲いて
まさに春本番。
→かたばみ、葉わさび。やまとしじみ(小さな蝶)。
二十四節気「春分(しゅんぶん)」
・雀始巣(すずめはじめてすくう)3月20日頃
雀が巣を作り始める頃。昼の時間が少しずつ伸び、多くの小鳥たちが繁殖期を
迎えます。
→蕗、関東たんぽぽ。ひばり。
・桜始開(さくらはじめてひらく)3月25日頃
桜の花が咲き始める頃。桜前線の北上を日本中が待ち望む、お花見の季節の到来です。
→こぶし、アスパラガス。さくらえび。
・雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)3月30日頃
春の訪れを告げる雷が鳴り始める頃。「春雷」(しゅんらい)は「虫出しの雷」とも呼
ばれています。
→うど、木蓮。真鯛。
二十四節気「清明(せいめい)」
・玄鳥至(つばめきたる)4月5日頃
燕が南の国から渡ってくる頃。「玄鳥」(げんちょう)とは燕の異名です。
→行者にんにく。初鰹。
・鴻雁北(こうがんきたへかえる)4月10日頃
雁が北へ帰っていく頃。雁は夏場をシベリアで、冬は日本で過ごす渡り鳥です。
→たらのめ(山菜)。ほたるいか。
・虹始見(にじはじめてあらわる)4月15日頃
雨上がりに虹が見え始める頃。淡く消えやすい春の虹も次第にくっきりしてきます。
→みつば、小楢(花が咲く頃)。雨前茶。
二十四節気「穀雨(こくう)」
瑞雨、甘雨、春琳、催花雨等春の雨には色々ある。
・葭始生(あしはじめてしょうず)4月20日頃
水辺の葭が芽吹き始める頃。葭は夏に背を伸ばし、秋に黄金色の穂をなびかせます。
→葦牙(あしかび)、新ごぼう。鯵。
・霜止出苗(しもやみてなえいずる)4月25日頃
霜が降りなくなり、苗代で稲の苗が生長する頃。霜は作物の大敵とされています。
→よもぎ。いとより。
・牡丹華(ぼたんはなさく)4月30日頃
牡丹が大きな花を咲かせる頃。豪華で艶やかな牡丹は「百花の王」と呼ばれています。
八十八夜。
→牡丹、こごみ。さざえ。
俳句 春
八講の比良山見ゆれ枯木原 青々
八講はすぎたしらせか鶴のこえ 楓下
春は京冬は残れリ比良の山 道加
八景は比良にかたまる桜かな 麦水
花野来て比良の横雲望みけり 華村
和歌 春
・桜さく比良の山風吹くままに
花になりゆく志賀の浦なみ 御京極
・花さそうひらの山風ふきにけり
こぎ行く船の跡見ゆるまで 宮内卿
・桜咲く比良の山風ふくなへに
花のさざ波寄する水海 大納言定国
・さざ波の近江の海に船はてて
比良の山桜ちるまで見む 荷田蒼生子
夏
山滴る。
二十四節気「立夏(りっか)」
・蛙始鳴(かわずはじめてなく)5月5日頃
蛙が鳴き始める頃。水田の中をスイスイ泳ぎ、活発に活動を始めます。「かわず」は蛙
の歌語・雅語。
→藤、にんじん。金目鯛。
・蚯蚓出(みみずいずる)5月10日頃
みみずが地上に出てくる頃。畑土をほぐしてくれるみみずは、動き始めるのが少し遅め
です。
→苺。ほおじろ。いさき。
・竹笋生(たけのこしょうず)5月15日頃
たけのこが出てくる頃。たけのこは成長が早く、一晩でひと節伸びると
言われています。
→筍。あさり。
二十四節気「小満(しょうまん)」
・蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)5月21日頃
蚕が桑の葉を盛んに食べだす頃。蚕がつむいだ繭が美しい絹糸になります。
→そらまめ。きす。
・紅花栄(べにばなさかう)5月26日頃
紅花の花が咲きほこる頃。紅花は染料や口紅になり、珍重されました。
→しそ、紅花。車えび。
・麦秋至(むぎのときいたる)5月31日頃
麦の穂が実り始める頃。「秋」は実りの季節を表し、穂を揺らす風は「麦の秋風」。
刈り取りを待つ麦畑は一面の黄金色。この頃、降る雨を麦雨ばくうと呼ぶ。
→枇杷。べら。四十雀しじゅうから(ツィピーツィツィピーと啼く)。
二十四節気「芒種(ぼうしゅ)」
・蟷螂生(かまきりしょうず)6月5日頃
かまきりが卵からかえる頃。ピンポン球ほどの卵から数百匹の子が誕生します。
→ラッキョウ、苗代苺。あいなめ。
・腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)6月10日頃
草の中から蛍が舞い、光を放ち始める頃。昔は腐った草が蛍になると考えていました。
→とまと。するめいか。蛍。
・梅子黄(うめのみきばむ)6月15日頃
梅の実が黄ばんで熟す頃。青い梅が次第に黄色みをおび、赤く熟していきます。
→梅が旬、すいかずら。すずき。
二十四節気「夏至(げし)」
・乃東枯(なつかれくさかるる)6月21日頃
夏枯草の花が黒ずみ枯れたように見える頃。「夏枯草」(かごそう)はうつぼ草
の異名です。その花穂は生薬として役立っています。
→ウツボグサ、夏みかん。鮎。
・菖蒲華(あやめはなさく)6月26日頃
あやめの花が咲き始める頃。端午の節供に用いる菖蒲(しょうぶ)ではなく、花菖蒲のこ
とです。青嵐、青時雨。
→菖蒲、茗荷。かんぱち。
・半夏生(はんげしょうず)7月1日頃
半夏が生え始める頃。田植えを終える目安とされました。「半夏」は「烏柄杓」(から
すびしゃく)の異名。半夏雨。
→おくら。はも。
古くから小豆には魔除けの力があるとされ、夏越祓にも外郎(ういろう)に小豆をのせ
た
「水無月」を食べる習慣がある。永楽屋の水無月には、丹波産大納言小豆を用いる。
二十四節気「小暑(しょうしょ)」
・温風至(あつかぜいたる)7月7日頃
熱い風が吹き始める頃。温風は梅雨明けの頃に吹く南風のこと。日に日に暑さが増しま
す。
→ほおずき。こち。
・蓮始開(はすはじめてひらく)7月12日頃
蓮の花が咲き始める頃。優美で清らかな蓮は、天上の花にたとえられています。
→蓮、とうもろこし。かれい。
・鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)7月17日頃
鷹の子が飛ぶ技を覚え、巣立ちを迎える頃。獲物をとらえ一人前になっていきます。
→モロヘイヤ。鰻。ハチクマ。
二十四節気「大暑(たいしょ)」
・桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)7月23日頃
桐の花が実を結び始める頃。桐は箪笥や下駄など暮らしの道具に欠かせないものです。
→桐の花、きゅうり。そうめん。うに。
・土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)7月28日頃
土がじっとりとして蒸し暑くなる頃。蒸し暑いことを「溽暑(じょくしょ)」と
言います。
→八朔(八月一日の早稲の穂)、枝豆。あなご。
・大雨時行(たいうときどきふる)8月2日頃
ときどき大雨が降る頃。むくむくと湧き上がる入道雲が夕立になり、乾いた大地を潤し
ます。
→すいか。太刀魚。かぶとむし。
俳句 夏
十六夜の気色わけたり比良伊吹
鳴神や幾度比良へ帰る雲 士朗
いかほども雲たくはへよ比良伊吹 千影
白雨や比良より雲の出来心 団室
和歌 夏
ほととぎす 三津の浜辺に 待つ声を 比良の高嶺に 鳴き過ぎべしや
秋
山装う
二十四節気「立秋(りっしゅう)」
・涼風至(すずかぜいたる)8月7日頃
涼しい風が吹き始める頃。まだ暑いからこそ、ふとした瞬間に涼を感じること
ができます。秋隣。
→露草、桃。しじみ。
・寒蝉鳴(ひぐらしなく)8月12日頃
カナカナと甲高くひぐらしが鳴き始める頃。日暮れに響く虫の声は、一服の清涼剤。
→ほおずき。めごち。ひぐらし。
・蒙霧升降(ふかききりまとう)8月17日頃
深い霧がまとわりつくように立ち込める頃。秋の「霧」に対して、春は「霞」と呼びま
す。樹雨きさめ
→水引、新しょうが。真たこ。
二十四節気「処暑(しょしょ)」
・綿柎開(わたのはなしべひらく)8月23日頃
綿を包むガクが開き始める頃。綿の実がはじけ白いふわふわが顔をのぞかせた様子。
→すだち、綿花。かさご。
・天地始粛(てんちはじめてさむし)8月28日頃
天地の暑さがようやくおさまり始める頃。「粛」は縮む、しずまるという意味です。
野分のわき。
→ぶどう。ぐち。
・禾乃登(こくものすなわちみのる)9月2日頃
いよいよ稲が実り、穂を垂らす頃。「禾」は稲穂が実ったところを表した象形文字。
→無花果いちじく、きんえのころ。まつむし。鰯。
二十四節気「白露(はくろ)」
・草露白(くさのつゆしろし)9月7日頃
草に降りた露が白く光って見える頃。朝夕の涼しさが際立ってきます。
→秋の七草(萩、すすき、葛、なでしこ、おみなえし、藤袴、桔梗)。島鯵。
秋の野に咲きたる花を指および折り かき数ふれば七種ななくさの花 山上憶良
・鶺鴒鳴(せきれいなく)9月12日頃
せきれいが鳴き始める頃。せきれいは日本神話にも登場し、別名は「恋教え鳥」。
→梨、オシロイバナ(夕化粧ともいう)。あわび。鶺鴒せきれい チチィとなく。
・玄鳥去(つばめさる)9月17日頃
燕が子育てを終え、南へ帰っていく頃。来春までしばしのお別れです。
→鶏頭、なす。昆布。
二十四節気「秋分(しゅうぶん)」
・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)9月23日頃
雷が鳴らなくなる頃。春分に始まり夏の間鳴り響いた雷も、鳴りをひそめます。
→彼岸花、松茸。はぜ。
・蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)9月28日頃
虫たちが土にもぐり、入口の戸をふさぐ頃。冬ごもりの支度をする時期です。
→紫苑、里芋。さんま。茅場(ススキの野原)芋茎ずいき、里芋の茎。
・水始涸(みずはじめてかるる)10月3日頃
田んぼの水を抜き、稲刈りの準備をする頃。井戸の水が枯れ始める頃との説も。
→金木犀、銀杏、稲の実り。とらふぐ。
二十四節気「寒露(かんろ)」
・鴻雁来(こうがんきたる)10月8日頃
雁が渡ってくる頃。清明の時期に北へ帰っていった雁たちが、再びやってきます。
→ななかまど、しめじ。ししゃも。鴈渡し(晩秋に吹く北風)
・菊花開(きくのはなひらく)10月13日頃
菊の花が咲き始める頃。旧暦では重陽の節供の時期で、菊で長寿を祈願しました。
→栗。はたはた。菊晴れ(菊の花が咲くころに青空が晴れ渡る)
・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)10月18日頃
戸口で秋の虫が鳴く頃。昔は「こおろぎ」を「きりぎりす」と呼びました。
→柿。鯖。
二十四節気「霜降(そうこう)」
・霜始降花(しもはじめてふる)10月23日頃
山里に霜が降り始める頃。草木や作物を枯らす霜を警戒する時期です。
→紫式部。ほっけ。ひよどり ヒーヨとなく。
・霎時施(しぐれときどきふる)10月28日頃
ときどき小雨が降る頃。「霎」をしぐれと読むことも。ひと雨ごとに気温が
下がります。初時雨、片時雨、横時雨
→山芋。きんき。
・楓蔦黄(もみじつたきばむ)11月2日頃
楓(かえで)や蔦の葉が色づく頃。晩秋の山々は赤や黄に彩られ、紅葉
狩りの季節です。
→さつまいも。かわはぎ。
俳句 秋
風雲や時雨をくばる比良おもて 大草
夕焼けの比良を見やりつ柿赤し 惣之助
楊梅の瀧見失う船の秋 虚子
有明や比良の高根も霧の海 白堂
名月やひそかに寒き比良が嶺 歌童
和歌 秋
・ち早ふる比良の御山のもみぢ葉に
ゆうかけわたすけさの白雲 安法
・宿りするひらの都の仮庵に
尾花みだれて秋風ぞ吹く 光俊朝臣
・小浪や比良の高嶺の山おろしに
紅葉を海の物となしたる 刑部卿範
冬
山眠る
二十四節気「立冬(りっとう)」
・山茶始開(つばきはじめてひらく)11月7日頃
山茶花(さざんか)の花が咲き始める頃。椿と混同されがちですが、先駆けて咲くのは
山茶花です。
→みかん。ひらめ。
・地始凍(ちはじめてこおる)11月12日頃
大地が凍り始める頃。サクサクと霜柱を踏みしめて歩くのが楽しみな時期です。
→ほうれんそう、茶の花。毛蟹。
・金盞香(きんせんかさく)11月17日頃
水仙が咲き芳香を放つ頃。「金盞」は金の盃のことで、水仙の黄色い冠を
見立てています。
→れんこん、水仙。甲いか。まひわ(冬を告げる鳥)
二十四節気「小雪(しょうせつ)」
小春日和(旧暦10月を小春、暖かな陽射し包まれ陽気になる日がある)
・虹蔵不見(にじかくれてみえず)11月22日頃
陽の光も弱まり、虹を見かけなくなる頃。「蔵」には潜むという意味があります。
→りんご、野茨。くえ。新嘗祭
・朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)11月27日頃
北風が木の葉を吹き払う頃。「朔風」は北の風という意味で、木枯らしをさします。
→白菜、やつで。かわせみ。かます。
・橘始黄(たちばなはじめてきばむ)12月2日頃
橘の実が黄色く色づき始める頃。常緑樹の橘は、永遠の象徴とされています。
→橘(常緑樹で黄色の実)、セロリ。ぼら(はく、すばしり、おぼこ、いな、ぼら、と
ど)。
二十四節気「大雪(たいせつ)」
・閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)12月7日頃
空が閉ざされ真冬となる。空をふさぐかのように重苦しい空が真冬の空です。
→ふろふき大根。ぶり。大鷺。
・熊蟄穴(くまあなにこもる)12月12日頃
熊が穴に入って冬ごもりする頃。何も食べずに過ごすため、秋に食いだめをします。
→ねぎ、椿。牡蠣。
・鮭魚群(さけのうおむらがる)12月17日頃
鮭が群がって川を上る頃。川で生まれた鮭は、海を回遊し故郷の川へ帰ります。
→にら。鮭。むみらさきしじみ。
二十四節気「冬至(とうじ)」
冬至梅がある。
・乃東生(なつかれくさしょうず)12月22日頃
夏枯草が芽をだす頃。夏至の「乃東枯」に対応し、うつぼ草を表しています。
→柚子、千両、万両。まぐろ。こげら。
・麋角解(さわしかのつのおつる)12月27日頃
鹿の角が落ちる頃。「麋」は大鹿のことで、古い角を落として生え変わります。
→かぼちゃ。鯉。おなが。
・雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)1月1日頃
雪の下で麦が芽をだす頃。浮き上がった芽を踏む「麦踏み」は日本独特の風習です。
→百合根。イセエビ
初茜(初日直前の茜空。夜の暗がりから白み、明るみ、茜に染まる東雲しののめの空。
二十四節気「小寒(しょうかん)」
・芹乃栄(せりすなわちさかう)1月5日頃
芹が盛んに育つ頃。春の七草のひとつで、7日の七草粥に入れて食べられます。
→春の七草(せり、なずな、ごぎょう(ははこぐさ)、はこべら(はこべ)、
ほとけのざ(こおにたびらこ)、すずな(蕪)、すずしろ(大根)。鱈。
・水泉動(しみずあたたかをふくむ)1月10日頃
地中で凍っていた泉が動き始める頃。かすかなあたたかさを愛おしく感じる時期です。
→春菊、柊。こまい(氷下魚)。寒九の雨。
・雉始?(きじはじめてなく)1月15日頃
雉が鳴き始める頃。雄がケーンケーンと甲高い声をあげて求愛します。
→蕪、蝋梅(蝋月)。雉。鮟鱇。
二十四節気「大寒(だいかん)」
・款冬華(ふきのはなさく)1月20日頃
雪の下からふきのとうが顔をだす頃。香りが強くほろ苦いふきのとうは早春の味。
→小松菜、南天。赤貝。あおじ。
・水沢腹堅(さわみずこおりつめる)1月25日頃
沢に厚い氷が張りつめる頃。沢に流れる水さえも凍る厳冬ならではの風景です。
→水菜、福寿草。わかさぎ。じょうびたき。
・鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)1月30日頃
鶏が鳥屋に入って卵を産み始める頃。本来、鶏は冬は産卵せず、春が近づくと卵を産み
ました。
→金柑。めひかり。
俳句 冬
湖の鏡にさむし比良の山 支考
春遅し敦賀の津まで比良の雪 素堂
比良三上雪さしわたせ鷺のはし 芭蕉
寒梅やさす枝に白き比良嶽 巴人
和歌 冬
・楽浪の比良の山風の海吹けば
釣する海人あまの袖反かえる見ゆ
・吹き迷う雲をさまりし夕なぎに
比良の高ねの雪を見るかな 為美
・夕づく日比良の高ねを眺むれば
くるるともなき雪の白妙 元恒
・近江路や北より冬はきにけらし
比良の大山まづしくつつ 公朝
ーーーーーーーーー
七十二候
http://www.543life.com/season.html
暮らしの歳時記
http://www.i-nekko.jp/
http://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
イラスト
http://azukichi.net/season/09_september.html
二十四節気(にじゅうしせっき)、七十二候(しちじゅうにこう)とは
「春分」「冬至」などよく耳にするのが「二十四節気」で1年を24等分して約15日ごと
に分けた季節のこと。約2600年も前に中国の黄河地方で作られた暦のため、実際の日本
の気候とは若干のずれがあります。
「七十二候」は半月ごとの季節変化を表す「二十四節気」をさらに約5日おきに分け、
気象の動きや動植物の変化を知らせるもので、日本の気候や風土に合うよう江戸時代に
入ってから何度か改定されています。
出典: etherealvistas.com
「春分」「冬至」などよく耳にするのが「二十四節気」で1年を24等分して約15日ごと
に分けた季節のこと。約2600年も前に中国の黄河地方で作られた暦のため、実際の日本
の気候とは若干のずれがあります。
「七十二候」は半月ごとの季節変化を表す「二十四節気」をさらに約5日おきに分け、
気象の動きや動植物の変化を知らせるもので、日本の気候や風土に合うよう江戸時代に
入ってから何度か改定されています。
七十二候の名称は、気候の変化や動植物の様子が短い文で表されています。私たちの暮
らしでは目にする機会の少ない事象もありますが、おおかたはその時期の「兆し」を伝
え、繊細な季節のうつろいを感じさせてくれます。
出典:七十二候|暮らし歳時記
春
二十四節気「立春(りっしゅん)」
・東風解凍(はるかぜこおりをとく)2月4日頃
春の風が川や湖の氷を解かし始める頃。「東風」(こち)とは春風を表す代名詞。
・黄鴬?睆(うぐいすなく)2月9日頃
山里で鴬が鳴き始める頃。春の訪れを告げる鴬は「春告鳥」(はるつげどり)とも呼ば
れます。
・魚上氷(うおこおりをいずる)2月14日頃
水がぬるみ、割れた氷の間から魚が飛び跳ねる頃。春先の氷を「薄氷」と呼びます。
立春(2月4日頃)
立春は一年のはじめとされ、季節の節目はこの日が起点になっています。まだまだ寒い
ですが、暦上ではこの日から春となります。
初候:「東風解凍」(はるかぜこおりをとく)
次候:「黄鴬?睆」(おうこうけんかんす)
末候:「魚上氷」(うおこおりをいずる)
黄鶯?睆(おうこうけんかんす) 2月9日
「うぐいすなく」とも読みます。その名の通り、山里でウグイスが鳴き始める頃。ウグ
イスは別名「春告鳥」ともいい、その声で春の訪れを知る、とされています。
出典: monalisa15.blog54.fc2.com
「うぐいすなく」とも読みます。その名の通り、山里でウグイスが鳴き始める頃。ウグ
イスは別名「春告鳥」ともいい、その声で春の訪れを知る、とされています。
二十四節気「雨水(うすい)」
・土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)2月18日頃
雪がしっとりとした春の雨にかわり、大地が潤い始める頃。「脉」は脈の俗字です。
・霞始靆(かすみはじめてたなびく)2月23日頃
春霞がたなびき始める頃。春の霞んだ月を「朧月」(おぼろづき)と呼びます。
・草木萌動(そうもくめばえいずる)2月28日頃
草木が芽吹き始める頃。草の芽が萌え出すことを「草萌え」(くさもえ)と言います。
雨水(2月19日頃)
空から降るのが雪から雨に変わり、氷が溶けて水になるという意味。春一番が吹くのも
この頃です。
初候:「土脉潤起」(つちのしょううるおいおこる)
次候:「霞始靆」(かすみはじめてたなびく)
末候:「草木萌動」(そうもくめばえいずる)
草木萠動(そうもくめばえいずる) 3月1日
寒さも和らぎ、日に日に暖かくなりはじめ草木が芽吹き始める頃。長く寒い冬も終わり
、いよいよ本格的に春がやってきます。
出典: ameblo.jp
寒さも和らぎ、日に日に暖かくなりはじめ草木が芽吹き始める頃。長く寒い冬も終わり
、いよいよ本格的に春がやってきます。
いかがでしたか?
現代の私たちの生活では目にする機会のない事象もありますが、「暮らしの歳時記」と
して時にはうつろいゆく季節の美しさをちょっと違う視点から眺めてみるのも面白いか
もしれません。
季節の移ろいを美しい日本語で。「七十二候(しちじゅうにこう)」をご存知ですか?
出典: yako1223.blog85.fc2.com
二十四節気「啓蟄(けいちつ)」
・蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)3月5日頃
戸を啓いて顔を出すかのように、冬ごもりをしていた生きものが姿を表す頃。
・桃始笑(ももはじめてさく)3月10日頃
桃の花が咲き始める頃。花が咲くことを「笑う」と表現、「山笑う」は春の季語です。
・菜虫化蝶(なむしちょうとなる)3月15日頃
青虫が紋白蝶になる頃。「菜虫」は菜を食べる青虫のこと。菜の花が咲いてまさに春本
番。
啓蟄(3月6日頃)
冬ごもりしていた虫が、地中からはい出る頃。
初候:「蟄虫啓戸」(すごもりのむしとをひらく)
次候:「桃始笑」(ももはじめてさく)
末候:「菜虫化蝶」(なむしちょうとなる)
桃始笑(ももはじめてさく) 3月11日
桃の花が咲き始める時期。花が咲くことを笑うと表現しています。ちなみに「山笑う」
とは俳句の春の季語で、春山の明るい雰囲気をイメージさせてくれます。
出典: blogs.yahoo.co.jp
桃の花が咲き始める時期。花が咲くことを笑うと表現しています。ちなみに「山笑う」
とは俳句の春の季語で、春山の明るい雰囲気をイメージさせてくれます。
二十四節気「春分(しゅんぶん)」
・雀始巣(すずめはじめてすくう)3月20日頃
雀が巣を作り始める頃。昼の時間が少しずつ伸び、多くの小鳥たちが繁殖期を迎えます
。
・桜始開(さくらはじめてひらく)3月25日頃
桜の花が咲き始める頃。桜前線の北上を日本中が待ち望む、お花見の季節の到来です。
・雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)3月30日頃
春の訪れを告げる雷が鳴り始める頃。「春雷」(しゅんらい)は「虫出しの雷」とも呼
ばれています。
春分(3月21日頃)
太陽の中心が春分点に達し、全地球上の昼夜の長さがほぼ等しくなる日。
初候:「雀始巣」(すずめはじめてすくう)
次候:「桜始開」(さくらはじめてひらく)
末候:「雷乃発声」(かみなりすなわちこえをはっす)
桜始開(さくらはじめてひらく) 3月26日
桜の花が咲き始める頃。各地で桜の開花予想が発表され、待ちわびた春の到来と楽しい
お花見の予定にわくわくする季節です。
出典: yako1223.blog85.fc2.com
桜の花が咲き始める頃。各地で桜の開花予想が発表され、待ちわびた春の到来と楽しい
お花見の予定にわくわくする季節です。
二十四節気「清明(せいめい)」
・玄鳥至(つばめきたる)4月5日頃
燕が南の国から渡ってくる頃。「玄鳥」(げんちょう)とは燕の異名です。
・鴻雁北(こうがんかえる)4月10日頃
雁が北へ帰っていく頃。雁は夏場をシベリアで、冬は日本で過ごす渡り鳥です。
・虹始見(にじはじめてあらわる)4月15日頃
雨上がりに虹が見え始める頃。淡く消えやすい春の虹も次第にくっきりしてきます。
清明イメージ
清明(4月5日頃)
春のはじめの清らかで生き生きとした様子「清浄明潔」という語を略したもの。
初候:「玄鳥至」(つばめきたる)
次候:「鴻雁北」(こうがんかえる)
末候:「虹始見」(にじはじめてあらわる)
虹始見(にじはじめてあらわる) 4月15日
日増しに陽光が強くなり、雨上がりに美しい虹が見られるようになる、という意味です
。東京スカイツリーにダブルの虹、とても幻想的な風景ですね。
出典: blog.bot.vc
日増しに陽光が強くなり、雨上がりに美しい虹が見られるようになる、という意味です
。東京スカイツリーにダブルの虹、とても幻想的な風景ですね。
二十四節気「穀雨(こくう)」
・葭始生(あしはじめてしょうず)4月20日頃
水辺の葭が芽吹き始める頃。葭は夏に背を伸ばし、秋に黄金色の穂をなびかせます。
・霜止出苗(しもやみてなえいずる)4月25日頃
霜が降りなくなり、苗代で稲の苗が生長する頃。霜は作物の大敵とされています。
・牡丹華(ぼたんはなさく)4月30日頃
牡丹が大きな花を咲かせる頃。豪華で艶やかな牡丹は「百花の王」と呼ばれています。
穀雨(4月20日頃)
この時期に降る雨は「百穀春雨」、百穀を潤し芽を出させる春雨といわれています。種
まきなどを始めるのに適した時期として、農作業の目安になっています。
初候:「葭始生」(あしはじめてしょうず)
次候:「霜止出苗」(しもやみてなえいずる)
末候:「牡丹華」(ぼたんはなさく)
牡丹華(ぼたんはなさく) 4月30日
牡丹の花が咲く頃。牡丹は日本には遣唐使によってもたらされたともいわれ「富貴草」
、「百花の王」などの別名があります。
出典: www.yuushien.com
牡丹の花が咲く頃。牡丹は日本には遣唐使によってもたらされたともいわれ「富貴草」
、「百花の王」などの別名があります。
二十四節気「立夏(りっか)」
・蛙始鳴(かわずはじめてなく)5月5日頃
蛙が鳴き始める頃。水田の中をスイスイ泳ぎ、活発に活動を始めます。「かわず」は蛙
の歌語・雅語。
・蚯蚓出(みみずいずる)5月10日頃
みみずが地上に出てくる頃。畑土をほぐしてくれるみみずは、動き始めるのが少し遅め
です。
・竹笋生(たけのこしょうず)5月15日頃
たけのこが出てくる頃。たけのこは成長が早く、一晩でひと節伸びると言われています
。
立夏イメージ
立夏(5月5日頃)
暦の上では立夏から立秋の前日までが「夏」とされています。「夏が立つ」夏の始まり
です。
初候:「蛙始鳴」(かわずはじめてなく)
次候:「蚯蚓出」(みみずいずる)
末候:「竹笋生」(たけのこしょうず)
竹笋生(たけのこしょうず) 5月15日
タケノコが生えてくる頃。「雨後の筍」というたとえもある通り、雨の降った後は続々
と生えてくるそうです。
出典: chirotic.exblog.jp
タケノコが生えてくる頃。「雨後の筍」というたとえもある通り、雨の降った後は続々
と生えてくるそうです。
二十四節気「小満(しょうまん)」
・蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)5月21日頃
蚕が桑の葉を盛んに食べだす頃。蚕がつむいだ繭が美しい絹糸になります。
・紅花栄(べにばなさかう)5月26日頃
紅花の花が咲きほこる頃。紅花は染料や口紅になり、珍重されました。
麦秋至(むぎのときいたる)5月31日頃
麦の穂が実り始める頃。「秋」は実りの季節を表し、穂を揺らす風は「麦の秋風」。
小満(5月21日頃)
陽気が日増しに良くなり、万物が成長して天地に満ち始めることから小満と言われれる
そうです。
初候:「蚕起食桑」(かいこおきてくわをはむ)
次候:「紅花栄」(べにばなさかう)
末候:「麦秋至」(むぎのときいたる)
麦秋至(むぎのときいたる) 5月31日
麦の穂が実り始め、収穫するころ。季節としては初夏ですが、麦にとっては収穫の「秋
」であることから、名づけられた季節が「麦秋」です。「麦秋」は俳句の夏の季語の一
つです。
出典: www.couleure.jp
麦の穂が実り始め、収穫するころ。季節としては初夏ですが、麦にとっては収穫の「秋
」であることから、名づけられた季節が「麦秋」です。「麦秋」は俳句の夏の季語の一
つです。
二十四節気「芒種(ぼうしゅ)」
・蟷螂生(かまきりしょうず)6月5日頃
かまきりが卵からかえる頃。ピンポン球ほどの卵から数百匹の子が誕生します。
・腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)6月10日頃
草の中から蛍が舞い、光を放ち始める頃。昔は腐った草が蛍になると考えていました。
・梅子黄(うめのみきばむ)6月15日頃
梅の実が黄ばんで熟す頃。青い梅が次第に黄色みをおび、赤く熟していきます。
芒種イメージ
芒種(6月6日頃)
稲・麦など芒(のぎ)をもつ穀物の種をまく季節とされたことから、芒種と呼ばれていま
す。実際の種まきはこれより早い時期に行われます。
初候:「蟷螂生」(かまきりしょうず)
次候:「腐草為蛍」(くされたるくさほたるとなる)
末候:「梅子黄」(うめのみきばむ)
腐草為蛍(かれたるくさほたるとなる) 6月11日
腐った草が蒸れて、蛍になるという意味。昔は腐った草が蛍になると考えられていたそ
うです。ホタルの幻想的な光は風情ある夏の夜の風物詩ですね。
出典: jp.pinterest.com
腐った草が蒸れて、蛍になるという意味。昔は腐った草が蛍になると考えられていたそ
うです。ホタルの幻想的な光は風情ある夏の夜の風物詩ですね。
二十四節気「夏至(げし)」
・乃東枯(なつかれくさかるる)6月21日頃
夏枯草の花が黒ずみ枯れたように見える頃。「夏枯草」(かごそう)はうつぼ草の異名で
す。
・菖蒲華(あやめはなさく)6月26日頃
あやめの花が咲き始める頃。端午の節供に用いる菖蒲(しょうぶ)ではなく、花菖蒲のこ
とです。
・半夏生(はんげしょうず)7月1日頃
半夏が生え始める頃。田植えを終える目安とされました。「半夏」は「烏柄杓」(から
すびしゃく)の異名。
夏至(6月21日頃)
夏至とは「日長きこと至る、きわまる」と言う意味だそうです。一年で昼の長さが最も
長く、夜が短い日。正午の太陽の高さも一年で最も高くなります。
初候:「乃東枯」(なつかれくさかるる)
次候:「菖蒲華」(あやめはなさく)
末候:「半夏生」(はんげしょうず)
半夏生(はんげしょうず) 7月2日
梅雨の末期に、半夏(別名=烏柄杓<からすびしゃく>)という毒草が生える、多湿で
不順な頃のこと。農家ではこの日までに田植えを済ませ、どんなに気候が不順でもこの
後には田植えをしないという習慣があったそうです。
出典: jp.pinterest.com
梅雨の末期に、半夏(別名=烏柄杓<からすびしゃく>)という毒草が生える、多湿で
不順な頃のこと。農家ではこの日までに田植えを済ませ、どんなに気候が不順でもこの
後には田植えをしないという習慣があったそうです。
二十四節気「小暑(しょうしょ)」
・温風至(あつかぜいたる)7月7日頃
熱い風が吹き始める頃。温風は梅雨明けの頃に吹く南風のこと。日に日に暑さが増しま
す。
・蓮始開(はすはじめてひらく)7月12日頃
蓮の花が咲き始める頃。優美で清らかな蓮は、天上の花にたとえられています。
・鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)7月17日頃
鷹の子が飛ぶ技を覚え、巣立ちを迎える頃。獲物をとらえ一人前になっていきます。
小暑イメージ
小暑(7月7日頃)
この頃から暑さがだんだん強くなっていくという意味です。例年では小暑から3~7日く
らい遅れて梅雨明けすることが多いようです。
初候:「温風至」(あつかぜいたる)
次候:「蓮始開」(はすはじめてひらく)
末候:「鷹乃学習」(たかすなわちがくしゅうす)
鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす) 7月17日
春に生まれた鷹の幼鳥が、飛び方や獲物を捕らえる技を覚え、巣からの旅立ちを迎える
頃。日本では古今タカといえば「大鷹」をさすことが多く、優れたハンターであること
から「鷹狩り」などに使われました。
出典: claire-de-lune.jp
春に生まれた鷹の幼鳥が、飛び方や獲物を捕らえる技を覚え、巣からの旅立ちを迎える
頃。日本では古今タカといえば「大鷹」をさすことが多く、優れたハンターであること
から「鷹狩り」などに使われました。
二十四節気「大暑(たいしょ)」
・桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)7月23日頃
桐の花が実を結び始める頃。桐は箪笥や下駄など暮らしの道具に欠かせないものです。
・土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)7月28日頃
土がじっとりとして蒸し暑くなる頃。蒸し暑いことを「溽暑(じょくしょ)」と言いま
す。
・大雨時行(たいうときどきふる)8月2日頃
ときどき大雨が降る頃。むくむくと湧き上がる入道雲が夕立になり、乾いた大地を潤し
ます。
大暑(7月23日頃)
梅雨明けの時期で、夏の土用もこの頃にあたります。最も暑い頃という意味ですが、現
代では実際の暑さのピークはもう少し後になりますね。
初候:「桐始結花」(きりはじめてはなをむすぶ)
次候:「土潤溽暑」(つちうるおうてむしあつし)
末候:「大雨時行」(たいうときどきふる)
大雨時行(たいうときどきふる) 8月3日
「ときどき大雨が降る」の意。ざあっと降る夕立より、近年では異常気象による大型台
風やゲリラ豪雨のほうが強い印象がありますね。
出典: jp.pinterest.com
「ときどき大雨が降る」の意。ざあっと降る夕立より、近年では異常気象による大型台
風やゲリラ豪雨のほうが強い印象がありますね。
二十四節気「立秋(りっしゅう)」
・涼風至(すずかぜいたる)8月7日頃
涼しい風が吹き始める頃。まだ暑いからこそ、ふとした瞬間に涼を感じることができま
す。
・寒蝉鳴(ひぐらしなく)8月12日頃
カナカナと甲高くひぐらしが鳴き始める頃。日暮れに響く虫の声は、一服の清涼剤。
・蒙霧升降(ふかききりまとう)8月17日頃
深い霧がまとわりつくように立ち込める頃。秋の「霧」に対して、春は「霞」と呼びま
す。
立秋イメージ
立秋(8月7日頃)
暦の上では秋になりますが、まだまだ残暑が厳しく気温の高い日が続く時期。
初候:「涼風至」(すずかぜいたる)
次候:「寒蝉鳴」(ひぐらしなく)
末候:「蒙霧升降」(ふかききりまとう)
蒙霧升降(ふかききりまとう) 8月18日
深い霧がまとわりつくようにたちこめる頃。俳句の季語では秋は「霧」、春は「霞(か
すみ)」になります。
出典: jp.pinterest.com
深い霧がまとわりつくようにたちこめる頃。俳句の季語では秋は「霧」、春は「霞(か
すみ)」になります。
二十四節気「処暑(しょしょ)」
・綿柎開(わたのはなしべひらく)8月23日頃
綿を包むガクが開き始める頃。綿の実がはじけ白いふわふわが顔をのぞかせた様子。
・天地始粛(てんちはじめてさむし)8月28日頃
天地の暑さがようやくおさまり始める頃。「粛」は縮む、しずまるという意味です。
・禾乃登(こくものすなわちみのる)9月2日頃
いよいよ稲が実り、穂を垂らす頃。「禾」は稲穂が実ったところを表した象形文字。
処暑(8月23日頃)
暑さが和らぐという意味。長く厳しかった夏もようやく暑さの峠を越し、朝夕は涼風が
吹き始めます。
初候:「綿柎開」(わたのはなしべひらく)
次候:「天地始粛」(てんちはじめてさむし)
末候:「禾乃登」(こくものすなわちみのる)
禾乃登(こくものすなわちみのる) 9月2日
稲穂に米が実り、日に日に熟していきます。「禾」は稲穂が垂れることをあらわした象
形文字だそうです。
出典: blog.livedoor.jp
稲穂に米が実り、日に日に熟していきます。「禾」は稲穂が垂れることをあらわした象
形文字だそうです。
二十四節気「白露(はくろ)」
・草露白(くさのつゆしろし)9月7日頃
草に降りた露が白く光って見える頃。朝夕の涼しさが際立ってきます。
・鶺鴒鳴(せきれいなく)9月12日頃
せきれいが鳴き始める頃。せきれいは日本神話にも登場し、別名は「恋教え鳥」。
・玄鳥去(つばめさる)9月17日頃
燕が子育てを終え、南へ帰っていく頃。来春までしばしのお別れです。
白露イメージ
白露(9月8日頃)
夜の間に大気が冷え、草花の上に朝露が宿るという意味。本格的な秋の訪れを感じる頃
です。
初候:「草露白」(くさのつゆしろし)
次候:「鶺鴒鳴」(せきれいなく)
末候:「玄鳥去」(つばめさる)
玄鳥去(つばめさる) 9月18日
春先に飛来した燕が日本で夏を過ごし子育てを終え、南へ帰っていきます。越冬先であ
る東南アジアやオーストラリアまでは数千キロメートルにも及ぶ旅が待っています。
出典: blog.livedoor.jp
春先に飛来した燕が日本で夏を過ごし子育てを終え、南へ帰っていきます。越冬先であ
る東南アジアやオーストラリアまでは数千キロメートルにも及ぶ旅が待っています。
二十四節気「秋分(しゅうぶん)」
・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)9月23日頃
雷が鳴らなくなる頃。春分に始まり夏の間鳴り響いた雷も、鳴りをひそめます。
・蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)9月28日頃
虫たちが土にもぐり、入口の戸をふさぐ頃。冬ごもりの支度をする時期です。
・水始涸(みずはじめてかるる)10月3日頃
田んぼの水を抜き、稲刈りの準備をする頃。井戸の水が枯れ始める頃との説も。
秋分(9月23日頃)
春分と同じく真東から昇った太陽が真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになります。
「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざもあるように、この日を境にだんだんと寒さが
増していきます。
初候:「雷乃収声」(かみなりすなわちこえをおさむ)
次候:「蟄虫坏戸」(むしかくれてとをふさぐ)
末候:「水始涸」(みずはじめてかるる)
雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ) 9月23日
雷が鳴り響かなくなる季節。夏の間、夕立とともにゴロゴロと鳴り響いていた雷も鳴り
を潜めてくる頃です。俳句の季語では「雷」は夏、「稲妻」は秋に分類されています。
二十四節気「寒露(かんろ)」
・鴻雁来(こうがんきたる)10月8日頃
雁が渡ってくる頃。清明の時期に北へ帰っていった雁たちが、再びやってきます。
・菊花開(きくのはなひらく)10月13日頃
菊の花が咲き始める頃。旧暦では重陽の節供の時期で、菊で長寿を祈願しました。
・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)10月18日頃
戸口で秋の虫が鳴く頃。昔は「こおろぎ」を「きりぎりす」と呼びました。
寒露イメージ
寒露(10月8日頃)
寒露とは、文字の示す通り晩夏から初秋にかけて野草に宿る冷たい露のことを言います
。しんしんと深まりゆく秋、大気も安定して青く高い空、秋晴れの日が多くなる頃です
。
初候:「鴻雁来」(こうがんきたる)
次候:「菊花開」(きくのはなひらく)
末候:「蟋蟀在戸」(きりぎりすとにあり)
菊花開(きくのはなひらく) 10月13日
菊の花が美しく咲き始める頃。各地で菊の品評会や菊まつりが開かれます。
出典: pixabay.com
菊の花が美しく咲き始める頃。各地で菊の品評会や菊まつりが開かれます。
二十四節気「霜降(そうこう)」
・霜始降花(しもはじめてふる)10月23日頃
山里に霜が降り始める頃。草木や作物を枯らす霜を警戒する時期です。
・霎時施(こさめときどきふる)10月28日頃
ときどき小雨が降る頃。「霎」をしぐれと読むことも。ひと雨ごとに気温が下がります
。
・楓蔦黄(もみじつたきばむ)11月2日頃
楓(かえで)や蔦の葉が色づく頃。晩秋の山々は赤や黄に彩られ、紅葉狩りの季節です
。
霜降(10月23日頃)
朝晩の冷え込みがいっそう厳しくなり、朝霜が見られる頃。山や街も紅葉で美しく彩ら
れる季節です。
初候:「霜始降」(しもはじめてふる)
次候:「霎時施」(こさめときどきふる)
末候:「楓蔦黄」(もみじつたきばむ)
楓蔦黄(もみじつたきばむ) 11月2日
楓(かえで)や蔦の葉が赤や黄色に色づく季節。紅葉という言葉は、霜や時雨の冷たさ
に、葉が揉み出されるようにして色づくことから「揉み出づ」~「もみづ」~「もみじ
」と転訛したという説もあります。
出典: jp.pinterest.com
楓(かえで)や蔦の葉が赤や黄色に色づく季節。紅葉という言葉は、霜や時雨の冷たさ
に、葉が揉み出されるようにして色づくことから「揉み出づ」~「もみづ」~「もみじ
」と転訛したという説もあります。
二十四節気「立冬(りっとう)」
・山茶始開(つばきはじめてひらく)11月7日頃
山茶花(さざんか)の花が咲き始める頃。椿と混同されがちですが、先駆けて咲くのは
山茶花です。
・地始凍(ちはじめてこおる)11月12日頃
大地が凍り始める頃。サクサクと霜柱を踏みしめて歩くのが楽しみな時期です。
・金盞香(きんせんかさく)11月17日頃
水仙が咲き芳香を放つ頃。「金盞」は金の盃のことで、水仙の黄色い冠を見立てていま
す。
立冬イメージ
立冬(11月8日頃)
本格的な冬の始まり。「立」には新しい季節になるという意味があり立春、立夏、立秋
と並んで季節の大きな節目となります。
初候:「山茶始開」(つばきはじめてひらく)
次候:「地始凍」(ちはじめてこおる)
末候:「金盞香」(きんせんかさく)
金盞香(きんせんかさく) 11月17日
水仙の花が咲き始める頃。キク科のキンセンカとは異なります。昔、中国で水仙の花の
黄色い部分を黄金の杯に、白い花弁を銀の台にたとえ、「金盞銀台(きんせんぎんだい)
」と呼んだことが別称の由来だそうです。
出典: carlos07.at.webry.info
水仙の花が咲き始める頃。キク科のキンセンカとは異なります。昔、中国で水仙の花の
黄色い部分を黄金の杯に、白い花弁を銀の台にたとえ、「金盞銀台(きんせんぎんだい)
」と呼んだことが別称の由来だそうです。
二十四節気「小雪(しょうせつ)」
・虹蔵不見(にじかくれてみえず)11月22日頃
陽の光も弱まり、虹を見かけなくなる頃。「蔵」には潜むという意味があります。
・朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)11月27日頃
北風が木の葉を吹き払う頃。「朔風」は北の風という意味で、木枯らしをさします。
・橘始黄(たちばなはじめてきばむ)12月2日頃
橘の実が黄色く色づき始める頃。常緑樹の橘は、永遠の象徴とされています。
小雪(11月23日頃)
気象庁の天気予報用語での「小雪」は「数時間降り続いても、降水量として1mmに達し
ない雪」だそうです。
初候:「虹蔵不見」(にじかくれてみえず)
次候:「朔風払葉」(きたかぜこのはをはらう)
末候:「橘始黄」(たちばなはじめてきばむ)
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう) 11月27日
北風が木々の枝から紅葉や枯葉を吹き払う頃。「朔風」とは北から吹く風、北風のこと
です。
出典: blog.livedoor.jp
北風が木々の枝から紅葉や枯葉を吹き払う頃。「朔風」とは北から吹く風、北風のこと
です。
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二十四節気「大雪(たいせつ)」
・閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)12月7日頃
空が閉ざされ真冬となる。空をふさぐかのように重苦しい空が真冬の空です。
・熊蟄穴(くまあなにこもる)12月12日頃
熊が穴に入って冬ごもりする頃。何も食べずに過ごすため、秋に食いだめをします。
・?魚群(さけのうおむらがる)12月17日頃
鮭が群がって川を上る頃。川で生まれた鮭は、海を回遊し故郷の川へ帰ります。
大雪イメージ
大雪(12月7日頃)
山だけでなく平野にも降雪のある季節。寒さが日増しに厳しくなってゆきます。
初候:「閉塞成冬」(そらさむくふゆとなる)
次候:「熊蟄穴」(くまあなにこもる)
末候:「?魚群」(さけのうおむらがる)
熊蟄穴(くまあなにこもる) 12月12日
クマが冬眠するために、穴に入る時期。クマは小型の動物とは異なり冬眠中は中途覚醒
や、排便・排尿もしないそうです。飼育されているクマは冬眠はしないのだとか。
出典: ameblo.jp
クマが冬眠するために、穴に入る時期。クマは小型の動物とは異なり冬眠中は中途覚醒
や、排便・排尿もしないそうです。飼育されているクマは冬眠はしないのだとか。
二十四節気「冬至(とうじ)」
・乃東生(なつかれくさしょうず)12月22日頃
夏枯草が芽をだす頃。夏至の「乃東枯」に対応し、うつぼ草を表しています。
・麋角解(さわしかのつのおつる)12月27日頃
鹿の角が落ちる頃。「麋」は大鹿のことで、古い角を落として生え変わります。
雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)1月1日頃
雪の下で麦が芽をだす頃。浮き上がった芽を踏む「麦踏み」は日本独特の風習です。
冬至(12月22日頃)
日照時間が減り、夏至と反対に夜が最も長く昼が短い日。冬至にかぼちゃを食べるのは
風邪を引かない、金運を祈願するというような意味があるそうです。
初候:「乃東生」(なつかれくさしょうず)
次候:「麋角解」(さわしかのつのおつる)
末候:「雪下出麦」(ゆきわたりてむぎのびる)
麋角解(さわしかのつのおつる) 12月27日
鹿の角が落ちる頃。麋とは大型の鹿の一種でヘラジカ、オオジカのことと言われます。
北米ではムース、エルクなどと呼ばれる鹿ですが日本には生息していません。雄の巨大
な角がこの時期になると脱落し生え変わります。
出典: jp.pinterest.com
鹿の角が落ちる頃。麋とは大型の鹿の一種でヘラジカ、オオジカのことと言われます。
北米ではムース、エルクなどと呼ばれる鹿ですが日本には生息していません。雄の巨大
な角がこの時期になると脱落し生え変わります。
二十四節気「小寒(しょうかん)」
・芹乃栄(せりすなわちさかう)1月5日頃
芹が盛んに育つ頃。春の七草のひとつで、7日の七草粥に入れて食べられます。
・水泉動(しみずあたたかをふくむ)1月10日頃
地中で凍っていた泉が動き始める頃。かすかなあたたかさを愛おしく感じる時期です。
・雉始?(きじはじめてなく)1月15日頃
雉が鳴き始める頃。雄がケーンケーンと甲高い声をあげて求愛します。
小寒イメージ
小寒(1月5日頃)
寒さが最も厳しくなる前、これから寒さが加わる頃という意味で、いわゆる「寒の入り
」です。小寒から節分までの30日間を「寒の内」といい、寒さが厳しくなり冬本番を迎
えます。
初候:「芹乃栄」(せりすなわちさかう)
次候:「水泉動」(しみずあたたかをふくむ)
末候:「雉始?」(きじはじめてなく)
芹乃栄(せりすなわちさかう) 1月5日
セリが盛んに生育する頃。冷たい沢の水辺で育つセリは春の七草のひとつとしてもよく
知られています。1月7日に無病息災を願って食べる「七草粥」にも入れられます。セリ
には鉄分が多く含まれ、増血作用が期待できるとも言われます。
出典: megandsue.com
セリが盛んに生育する頃。冷たい沢の水辺で育つセリは春の七草のひとつとしてもよく
知られています。1月7日に無病息災を願って食べる「七草粥」にも入れられます。セリ
には鉄分が多く含まれ、増血作用が期待できるとも言われます。
二十四節気「大寒(だいかん)」
・款冬華(ふきのはなさく)1月20日頃
雪の下からふきのとうが顔をだす頃。香りが強くほろ苦いふきのとうは早春の味。
・水沢腹堅(さわみずこおりつめる)1月25日頃
沢に厚い氷が張りつめる頃。沢に流れる水さえも凍る厳冬ならではの風景です。
・鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)1月30日頃
鶏が鳥屋に入って卵を産み始める頃。本来、鶏は冬は産卵せず、春が近づくと卵を産み
ました。
大寒(1月20日頃)
冬の最後の節気、一年で最も寒い時期です。
初候:「款冬華」(ふきのはなさく)
次候:「水沢腹堅」(さわみずこおりつめる)
末候:「鶏始乳」(にわとりはじめてとやにつく)
水沢腹堅(さわみずこおりつめる) 1月25日
沢に厚い氷が張りつめる頃。沢を流れている水さえも寒さに凍りつく厳しい冬の情景で
す。
出典: www.bionet.jp
沢に厚い氷が張りつめる頃。沢を流れている水さえも寒さに凍りつく厳しい冬の情景で
す。
雪の名前
四季折々の美しさを「雪月花」というように、雪には独特の魅力があり、それを表す言
葉もたくさん生まれました。言葉ひとつで雪の世界が広がります。
雪イメージ01
降る時期によって変わる雪の名前
・初めて降る雪は「初雪」
・例年より早く降る雪は「早雪」
・その冬初めて山々に積もる雪は「初冠雪」
・冬に別れを告げる最後の雪は「終雪」(しゅうせつ)
「雪の別れ」「雪の果て」「雪の名残」ともいわれます。
・もうすぐ春という頃に名残を惜しむように降る雪は「名残雪」(なごりゆき)
有名な歌もありますね。
・春になっても残る雪は「残雪」「去年の雪」(こぞのゆき)
・なかなか溶けずに残る雪は「根雪」
・1年中溶けない雪は「万年雪」
雪の状態を表した名前
・雪の美しさを表す「白雪」「雪花」(せっか)「深雪」(みゆき)
・細やかに降る雪のことを「細雪」(ささめゆき)
谷崎潤一郎の小説や、歌謡曲にもありますね。
・粉のように細やかな雪のことを「粉雪」「米雪」(こごめゆき)
スキーをするならこんなパウダー・スノーがよいですね。「粉雪」というヒット曲もあ
りました。
・灰のようにふわふわ舞う雪は「灰雪」
・うっすらと積もってすぐ溶けてしまう雪は「泡雪」「淡雪」「沫雪」(あわゆき)
・比較的あたたかい時期に降る、玉の形をした雪を「玉雪」
・雪のひとひらが大きな雪を「綿雪」「牡丹雪」「花びら雪」
ひとひらの雪のことを雪片(せっぺん)といいます。
・玉雪や綿雪がややとけている状態を「餅雪」
・餅雪よりも水分の多い雪は「べた雪」「濡れ雪」
・べた雪と雨の中間は「水雪」
・風上の降雪地から、風にのって流されてきた雪は「風花」
積もった様子を表した名前や言葉
・雪が降り積もった様子を「銀世界」「銀雪」「雪化粧」
・積もったばかりの雪は「新雪」
・おめでたいときの雪は「瑞雪」
・とけたり凍ったりを繰り返してできた粗い雪は「粗目雪」(ざらめゆき)
・一度にたくさん降り積もると「どか雪」
・積もった雪で薄明るくなる様子を「雪明かり」
・雪が枝や葉に積もっている様子を「雪持ち」
・樹木などに積もった雪の様子は「綿帽子」
・常緑の松の枝葉に積もった雪を「松の雪」
・枝や屋根などから落ちる雪は「垂り雪」(しずりゆき)
雪イメージ02
ひとつひとつの雪の名前をみているだけで、その情景が浮かんできます。
雪は降り方を表す言葉も多彩で、絶え間なく降る様子は「こんこん」、ひるがえりな
がら降る様子は「ちらちら」、軽やかに降る様子は「はらはら」、空中に漂う様子は「
ふわりと」「ふわっと」などと表現し、木の枝や屋根から落ちる雪は「どさっ」。
「豪雪」では風情などといってはいられないかも知れませんが、雪は冬の使者。雪の降
る様子に美しい名前や言葉を与えた日本人の感性を、私たちも大切にしたいですね。
※参考文献『日本語使いさばき辞典』(あすとろ出版)
「食べつなぐ」記事より
1)春は、
・もろこ焼き
・せり
せり、なづな、御形、はこべら、仏の座、すずな、すずしろ、これぞ七草。七草粥
・たけのこ、ふき たけのこご飯
・わらび
・わけぎ(二月から三月が食べごろ)
・しじみ(北小松でもよくとれた)しじみと大豆煮
・いたどり(四月から五月)いたどりの煮つけ
春は山菜の季節、4月、5月と色々な味が楽しめます。
お浸しでは、 カツオブシをまぶし醤油をかけるとサッパリ味で美味しい。
酢味噌和えや天ぷらにするのも1つ。
ノカンゾウ、クサソテツ(コゴミ)、たらの芽、ぜんまいなどはいかがですか。
「春の山菜と言えば?」のランキングでは、わらび、ぜんまい、つくし、
などに混じって、たらの芽が、堂々のランクイン入りしてます。
2)夏は、
・ハス(小骨の多い魚であり、みそ焼きなどが美味しい)
・こあゆ(北小松などでは昔から大地引網で捕っていた)天ぷらにするのが美味しい
・ごり(ハゼ科のこ魚の俗称)ごり煮といわれる佃煮が美味しい
この季節、きゅうり、枝豆、そら豆、にしんなす、などの野菜が美味しい。
伝統工芸のランキング
http://shikinobi.com/yomimono/kensaku_ranking
美しい村
https://www.facebook.com/beautifulvillagesofjapan/photos/a.1536896626601259.10
73741828.1523382497952672/1572961406328114/?type=3&theater
社日
春分(3月21日頃)と秋分(9月23日頃)に最も近い戊(つちのえ)の日を「社日」とい
います。春の社日は「春社」、秋の社日は「秋社」とも呼ばれ、土地の神様をまつる日
とされています。
社日の由来
春の社日の頃は種まきの時期にあたり、秋の社日の頃は収穫の時期にあたります。その
ため社日は重要な節目と考えられ、春は五穀の種子を供えて豊作を祈り、秋は初穂を供
えて収穫を感謝するようになりました。
社日を祝う習慣は元々中国にあり、「土」という意味がある「戊」の日に豊作祈願をす
るもので、「社」とは土地の守護神のことを表しています。
この風習が日本に伝えられると、土地の神様を信仰する日本の風土に合い、重要な農耕
儀礼として全国に広まったようです。
地域で違う様々な行事
社日は「土の神」をまつるので、この日は農作業など、土をいじることを忌む風習が各
地に見られます。また、土地の守護神というよりも農耕の神様と捉える地域もあり、信
州の「お社日様」は春は神迎え、秋は神送りとして餅をついて祝ったといいます。
また、博多では古くから「お潮井」と呼ばれる箱崎浜の真砂を、「てぼ」という竹かご
に入れて持ち帰り、玄関先に下げておく風習があります。「災いを除き福を招くもの」
として、身を清めるお祓いに用いられたり、建物や土地のお祓いや田畑の虫よけなどに
もまいてお清めとします。
社日は、その土地ごとの神様を祝うので行事の形は様々です。
七十二候の最終候「鶏始乳」。からだを温める飲み物「たまご酒」。
1月30日から七十二候の「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」になります。春の
到来を感じた鶏が鳥屋に入って卵を産み始める頃という意味です。本来、鶏の産卵期は
春から夏にかけて。冬は産卵をしなかったのです。
鶏は、夜明けになると鳴いて朝を知らせます。天岩戸の神話では、岩屋に隠れてしまっ
た天照大神をなんとか外に出そうと様々なことが試されますが、その中のひとつが「長
鳴き鳥を鳴かせてみる」ということでした。この長鳴き鳥というのは鶏のこと。ただ、
神話では天照大神を岩屋から出すことはできなかったようです。
「鶏始乳」は七十二候の最後の候。次は、第一候の立春!いよいよ春ですね。
とはいうものの、寒さはまだまだ続くので風邪に注意しましょう。予防にはうがい、手
洗いはもちろんですが、からだを芯から温めてゆっくり休むのも大切です。そんな時に
おすすめなのは、昔ながらの「たまご酒」。
たまご酒補正DSC_3143.jpg
卵は良質のたんぱく質が豊富です。また、卵白に含まれる「リゾチーム」という酵素は
風邪薬にも使われている成分で、殺菌効果と免疫力を高める働きがあるそうです。卵は
半熟が最も消化の良い状態ですから、お酒に溶かして飲むたまご酒は、効率良く栄養成
分を摂取でき、日本酒の効果でさらにぽかぽか。
たまご酒のおいしい作り方をご紹介していますので、ぜひお試しください。
【季節のめぐりと暦】七十二候
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
【食の歳時記・旬の味】たまご酒
http://www.i-nekko.jp/shoku/2016-012710.html
「初午」は2月の最初の午の日。この日は稲荷神のお祭りで、全国各地の稲荷神社で豊
作、商売繁盛、開運、家内安全を祈願します。稲荷神のお使いといわれるキツネの好物
の油揚げや、初午団子を供える風習もあります。
初午の由来
稲荷神社は全国に約4万社。農業、漁業、商売、家庭円満にご利益があるとされ、京都
市伏見区の伏見稲荷大社が総本社です。伏見稲荷によると、和銅4年(711年)の2月の
最初の午の日に、祭神が稲荷山(伊奈利山)の三箇峰に降りたという故事から、稲荷神
を祭る祭事が行われるようになったとされます。
初午イメージ
旧暦2月の初午の日は今の3月にあたり、ちょうど稲作を始める時期だったため、農耕の
神様を祭るようになりました。稲荷の名は「稲生り」から来たともいわれています。
また、その日から習い事を始めるという風習もありました。
初午は伏見稲荷をはじめ大阪の玉造稲荷、愛知県の豊川稲荷など、各地の稲荷神社で盛
大に祭がとり行われます。ご近所のお稲荷さんにも赤いのぼりが立ち、賑やかになるで
しょう。初午の日には、赤飯や油揚げ、団子などを供えて祭ります。
初午のお供え物
いなり寿司
稲荷神社といえばきつねがつきもの。きつねは稲荷神のお使い役で油揚げが大好物。初
午の日には、油揚げや油揚げにすし飯を詰めたものを奉納しました。これが、いなり寿
司の始まりで、きつねの大好物の油揚げを人間もたくさん食べられるよう考案されまし
た。稲荷神社もいなり寿司も親しみを込めて「おいなりさん」と呼ばれています。
いなり寿司は、東日本では米俵に見立てた俵型ですが、西日本ではきつねの耳に見立て
た三角が主流です。
いなり寿司イメージ
しもつかれ
また、初午の行事食として有名なのが、栃木県を中心に北関東に伝わる「しもつかれ」
です。鮭の頭と、鬼おろしですった大根やにんじん、油揚げ、大豆、酒粕と煮る煮つけ
で、おせち料理や節分の豆の残りなどをうまく使った栄養満点の郷土料理です。
※しもつかれについて詳しくはこちらをご覧ください。 → しもつかれ
初午団子
初午には蚕の神様を祀る行事も行われました。養蚕をしている家では、繭がたくさんで
きるようにと願い、餅粉で繭の形に作った団子をお供えしました。地域によっては、団
子を繭玉に見立てて中に小豆を一粒入れたり、ざるの中にマブシ(わらのようなもの)
を入れて蚕が繭を作るように飾ったり、繭がシミにならないよう醤油をつけずに食べた
りします。
また、初午団子をたくさん振る舞うと、繭から毛羽をとる「繭かき」の作業が賑やかに
なってよいといわれ、近所の家に配る風習もありました。
十二支の中の「初」祭事
十二支には「初午」のほか、「初」をつけてその時期にふさわしい催事を行う風習があ
ります。
・初子(はつね):正月または11月の最初の子の日
正月最初の子の日には、野に出て小松引きや若菜摘みなどの子の日遊びが行われ、11
月最初の子の日には、商家では大黒天を祀った。
・初丑(はつうし):夏の土用のうちの最初の丑の日
鰻を食べたり、丑湯に入ったりする風習がある。
※初丑について詳しくはこちらをご覧ください。 → 土用
・初寅(はつとら):正月最初の寅の日
福徳を願って毘沙門天に参詣する風習がある。
・初卯(はつう):正月最初の卯の日
初卯詣が行われる。
・初辰(はつたつ):正月最初の辰の日
防災のまじないをする日。
大阪の住吉大社では、月の初めの辰の日に「初辰まいり」を行い、48回で四十八辰=
始終発達するとされている。
・初巳(はつみ):正月最初の巳の日
弁財天に参詣する風習がある。
・初申(はつざる):旧暦2月の最初の申の日
奈良の春日神社の祭典が行われる。
・初酉(はつとり):正月または11月の最初の酉の日
浅草鷲神社の祭礼がある。酉の市も各所で開かれる。
※初酉について詳しくはこちらをご覧ください。 → 酉の市
・初亥(はつい):正月最初の亥の日
摩利支天(まりしてん)の縁日がある。
二十四節気の最初の節気ということで、立春を基準にさまざまな節目が決められていま
す。
また、旧暦では立春のころに元日がめぐってきて、立春と正月はほぼ重なっていました
。必ずしも立春=元日にならないのは、二十四節気は太陽の動き、元日は月の動きで決
められていたからです。
いずれにしても、立春が新しい年の始まりであり、「新春」「迎春」などの言葉にその
名残がみられます。
春冬至と春分の中間にあたるのが立春。暦の上の春は、立春から立夏の前日までをさし
ます。
節分立春の前日。豆をまくなど、邪気を祓う風習があります。
八十八夜立春から数えて88日め。この日に摘んだお茶はよいお茶になるといわれていま
す。
二百十日立春から数えて210日め。台風が来ることが多いとされています。収穫間近の
ころにやってくる台風は、稲作の大敵です。
二百二十日立春から数えて220日め。二百十日とともに農家の厄日とされています。現
代ではこの日の方が台風と重なることが多いです。
立春正月
立春を華やかに祝う国としては中国が有名。横浜の中華街では毎年「春節(しゅんせつ
)」のイベントを開催し、獅子舞や爆竹で祝います。
立春大吉
立春の早朝、禅寺の門に貼り出される文字。「立春大吉」の文字は左右対称で縁起がよ
く、厄除けになるといわれています。
今日は2月8日、「事八日」の日。
実は2月8日は「事始め」の日でもあり、「事納め」の日でもある、「事」を始めたり納
めたりする大事な日とされてきました。
「事」とは、もともと祭りあるいは祀りごとを表す言葉で、コトノカミという神を祀る
おまつりの日です。そのおまつりが12月8日と2月8日の2回あり、「事八日」「事の日」
などといわれました。コトノカミが「年神様」か「田の神様」かで、事始めと事納めの
時期が逆転するのです。
詳しくはこちらをご覧ください。理由を知れば「なるほどね!」と納得がいきますよ。
【暮らしを彩る年中行事】事始め・事納め
http://i-nekko.jp/nenchugyoji/sonohoka/kotohajime/
また、事八日には「針供養」が行われます。
針供養とは、古くなった針や、折れたり曲がったりした針、さびた針などを神社に納め
て供養し、裁縫の上達を願う行事です。その昔、針仕事は暮らしに欠かせない仕事でし
た。針供養では、役目を終えた針に感謝して、こんにゃくや豆腐に刺して拝みます。針
供養は道具に感謝しながら大切に使ってきた日本人の心がうかがえる美しい風習です。
地方や神社によっては12月8日に針供養を行うところもあります。
pixta_17260553_S針供養.jpg
また、事八日には「お事汁」を食べるという風習もあります。お事汁とは、里芋、大根
、にんじん、ごぼう、こんにゃく、小豆などを入れた味噌汁で、これを食べて無病息災
を願います。地方によって入れる具材はいろいろあるようですが、野菜がたっぷりとれ
るので、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富。寒い季節に体の芯から温まる伝統の健
康長寿食といえますね。作り方はこちらでご紹介しています。
【四季と行事食】お事汁
http://www.i-nekko.jp/gyoujishoku/fuyu/otoso/index.html
そして、明日からは七十二候の第2候「黄鴬?睆(うぐいすなく)」です。山里で鴬が
鳴き始める頃。春の訪れを告げる鴬は「春告鳥(はるつげどり)」とも呼ばれます。「
梅に鶯」とよくいいますが、梅の花も早春一番に開花するおめでたい花。このふたつの
取り合わせは人々の理想のイメージで、「取り合わせが良いふたつのもの。美しく調和
するもの」という意味があります。
各地で梅まつりも開かれる頃です。早春のお出かけ先にぴったりですね。
二十四節気「雨水」。大地に芽吹く「蕗の薹」はほろ苦い春の味。
2月19日は二十四節気の「雨水」。
「雨水」とは、雪が雨に変わり、氷が溶けて水になる頃という意味。実際にはまだ雪深
いところも多く、これから雪が降り出す地域もありますが、ちろちろと流れ出す雪溶け
水に、春の足音を感じます。草木が芽生える頃で、昔から農耕の準備を始める目安とさ
れてきました。
もうじきひな祭りを迎えますが、ひな祭りの由来には水が関係しているので、雨水にひ
な人形を飾り始めると、良縁に恵まれるといわれています。おひな様を飾る家はぜひ将
来の幸せを願って、雨水に飾ってあげましょう。ひな人形の飾り方にもいわれがあるの
で、イラスト付きで解説しています。飾るときの参考にしてくださいね♪
【暮らしを彩る年中行事】五節供とは/上巳:桃の節供
http://i-nekko.jp/nenchugyoji/gosekku/jyoushi/
また、七十二候では「土脉潤起」(つちのしょううるおいおこる)に入ります。これも
、雪がしっとりとした春の雨に変わり、大地が潤い始める頃という意味で、「雨水」と
同様、春はもうすぐそこまで来ているよ、と教えてくれます。
pixta_19653836_S.jpg
そして、雪解けの大地からちょこんと顔をだすのが蕗の薹。春の兆しの象徴ともいえま
す。
春の山菜には独特の苦みがありますが、この天然の苦味や辛味が冬の間に縮こまってい
たからだに刺激を与えて目覚めさせ、活動的にしてくれるといいます。蕗の薹も独特の
香りや苦みがありますが、これが春を感じさせるおいしさともいえますね。
じつはこの苦みやえぐみがからだにはとても良いもの。この苦味成分は、抗酸化作用の
あるポリフェノール類で、新陳代謝も促進してくれます。
蕗の薹はスーパーなどの店頭でも手に入るので、早春の味を楽しんでみませんか?蕗の
薹の定番、「蕗みそ」や「天ぷら」、「蕗の薹ごはん」などをご紹介しています。
【季節のめぐりと暦】二十四節気
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/nijyushisekki/
【季節のめぐりと暦】七十二候
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
【食の歳時記・旬の味】蕗の薹
http://www.i-nekko.jp/shoku/2016-021710.html
【四季と行事食】春/山菜
http://www.i-nekko.jp/gyoujishoku/haru/sansai/index.html
【暮らしを彩る年中行事】五節供とは/上巳:桃の節供
http://i-nekko.jp/nenchugyoji/gosekku/jyoushi/
3月15日から七十二候では「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」。青虫がモンシロチョ
ウになる頃という意味です。「菜虫」とは大根やかぶ、アブラナなどの葉を食べる青虫
のことです。畑を荒らす害虫の青虫がさなぎとなって冬を越し、春になると優雅な蝶へ
と生まれ変わります。花から花へと飛び回り、今度は花粉を運んでくれるようになるの
は、何とも不思議な気がします。暖かな春の日差しを浴びてひらひらと蝶が飛ぶ姿は、
かわいくもあり、はかなげでもありますね。
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また、3月16日は「十六団子」の日。田の神様が山から里へ下りてきて、これから始ま
る農作業を見守り、秋の収穫が済むと山に帰っていくという信仰があり、田の神様が来
る3月と帰っていく10月または11月の16日には、16個の団子を作ってお供えをしました
。今でも東北地方の一部ではこの風習が続いています。
さて、春を迎えるこの時期、日本各地には「春告げ魚」と呼ばれる魚たちがいます。た
とえば、春の季語にもなっている「鰆(さわら)」。「魚」偏に「春」と書くように、
瀬戸内海を中心に春に旬を迎え、春の訪れを知らせる魚です。北国では、春告げ魚とい
えばかつては「鰊(にしん)」でしたが、不漁のため鰊に変わってメバルが春告げ魚と
呼ばれるようになってきました。この他にも兵庫県のイカナゴ、伊豆諸島のハマトビウ
オ、また、渓流釣りでは3月に解禁されることからアマゴやヤマメなども春告げ魚と呼
ばれます。
春先になるとぴちぴちと元気に集まってくる魚たちに、人は親しみを込めて「春告げ魚
」と呼んだのでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。
【食の歳時記・旬の味】春告げ魚
http://www.i-nekko.jp/shoku/2016-031310.html
【季節のめぐりと暦】七十二候
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
3月20日は春分。春分の日は、昼と夜の長さがほぼ同じになり、この日を境に昼の時間
が少しずつのびていきます。春分の日を中日とした7日間が春の彼岸。「暑さ寒さも彼
岸まで」というように、春めいた日が多くなって来るでしょう。
また、七十二候では「雀始巣(すずめはじめてすくう)」になります。雀が巣を作り始
める頃で、多くの小鳥たちが繁殖期を迎えます。
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彼岸には先祖のお墓参りをする習慣がありますが、それは、仏教ではあの世(彼岸:ひ
がん)は西に、この世(此岸:しがん)は東にあるとされ、太陽が真東から昇って真西
に沈む春分の日と秋分の日は、あの世とこの世が最も通じやすい日と考えられたからで
す。お墓参りに出かけ、家族の元気な姿を見せるのも先祖供養のひとつですね。
お墓参りには厳格なしきたりなどはありませんが、基本的なマナーは押さえておきたい
もの。こちらを参考にしてくださいね。
【暮らしの作法】お墓参りの作法
http://www.i-nekko.jp/sahou/omairi/sahou/index.html
また、祝日法によると、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」なんだそう
です。確かに、日差しも明るくなり、寒そうに枝を震わせていた木々に若葉が芽生え、
花の蕾もほころんで、生命の息吹を身近に感じる頃です。わが家の近くの公園の早咲き
の桜はもう満開。暖かくなって再開したウォーキングの楽しみのひとつです。
【季節のめぐりと暦】七十二候
http://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
【季節のめぐりと暦】雑節/彼岸
http://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/zassetsu/higan/index.html
【季節のめぐりと暦】二十四節気
http://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/nijyushisekki/
【暮らしの作法】お墓参りの作法
http://www.i-nekko.jp/sahou/omairi/sahou/index.html
3月25日から、七十二候では「桜始開(さくらはじめてひらく)」になります。
今年は3月19日に福岡と名古屋で、全国に先がけ桜の開花を発表。福岡は平年より4日、
昨年より3日早く、名古屋は平年より7日早く、昨年より2日早い開花となっています。
東京も21日に開花宣言が出され、桜前線は着々と北上中。日本中が待ち望む、お花見の
季節の到来です。
pixta_21008160_Sソメイヨシノ.jpg
都内ではこの週末頃が満開の時期と予想されているので、お花見の計画をしている方も
多いでしょう。
花見の歴史は古く、平安貴族たちは桜を春の花の代表格として愛で、歌を詠み、花見の
宴を開いて楽しんだそうです。江戸時代からは庶民の春の行楽としても親しまれるよう
になりました。江戸時代は、園芸が盛んになった時代でもあり、桜の品種改良が進んだ
ことで、身近な場所でお花見が楽しめるようになったのです。三代将軍家光が上野や隅
田河畔に桜を植え、八代将軍吉宗は飛鳥山を桜の名所にし、花見の場も増えました。こ
れらは今でも東京のお花見の名所になっています。
このように桜は古くから親しまれており、春の気候や情景を表すことばにも「桜」が使
われているものがたくさんあります。例えば、満開時期の「こぼれ桜」、散りゆく様の
「花筏」や「花吹雪」、夜桜見物では「花冷え」の中、幻想的な「花明かり」を楽しむ
なんてお花見はいかがですか。
桜にまつわる美しいことばやお花見の歴史などについてご紹介しています。
【季節のめぐりと暦】七十二候
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
【暮らしの中の歳時記】桜にまつわることば
http://www.i-nekko.jp/kurashi/2016-032310.html
【暮らしを彩る年中行事】お花見
http://www.i-nekko.jp/nenchugyoji/ohanami/
【暮らしを彩る年中行事】桜の種類
http://www.i-nekko.jp/nenchugyoji/ohanami/sakura/
【四季と行事食】桜餅
http://www.i-nekko.jp/gyoujishoku/haru/sakuramochi/index.html
月30日から、七十二候では「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」に入ります
。冬の間は鳴りを潜めていた雷が、遠くの空でゴロゴロと鳴り始め、春の訪れを告げる
頃です。「春雷(しゅんらい)」は「虫出しの雷」とも呼ばれ、冬の間隠れていた虫た
ちも活動し始めます。
この頃に旬を迎える魚に真鯛があります。桜が咲く頃、産卵期を迎えて脂がのり、ひと
きわおいしい鯛としてこの時期は「桜鯛」という名で呼ばれています。「サクラダイ」
という魚もいるのですが、これはスズキ目ハタ科サクラダイ属に属している別の魚。食
用で出回っているのもあまり見かけません。
お祝いごとに付き物の真鯛は、その赤い色が美しく、姿かたちが立派で味も優れている
ということで、古来より日本人に親しまれてきました。「古事記」や「延喜式」にも登
場し、朝廷への貢物として使われていたことがうかがえます。江戸時代になると将軍家
に献上するため、江戸に鯛が集められるようになりました。
pixta_3134088_S鯛茶漬け.jpg
「目の下一尺」といわれ、体長40~50㎝くらいのものがおいしいそうです。お刺身はも
ちろん、煮ても焼いてもおいしい真鯛。尾頭付きの真鯛はお祝い事でもないとあまり買
うことがありませんが、お刺身なら手軽です。ひと手間かけて鯛茶漬けなどにすると、
ちょっとぜいたくな気分になれます。真鯛の刺身を醤油とみりんに漬けこみ、お好みの
薬味とともにごはんにのせて熱い煎茶を注ぎます。お好みでだし茶漬けにしても良いで
すね。
【季節のめぐりと暦】七十二候
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
4月8日または月遅れの5月8日には「花祭り」が行われます。
正式には「灌仏会(かんぶつえ)」、「仏生会(ぶっしょうえ)」と呼ばれる行事で、
仏教の開祖お釈迦様の誕生日とされています。
花いっぱいの「花御堂」にお釈迦様の誕生の姿を表した「誕生仏」が飾られ、その頭上
から甘茶をかけてお参りしますが、この日に振る舞われた甘茶を飲むと、無病息災にな
るといわれています。なぜ誕生仏に甘茶をかけるのか。また、誕生仏の姿が表す教えに
ついてなど、詳しくはこちらをご覧ください。
【暮らしを彩る年中行事】灌仏会
http://www.i-nekko.jp/gyoji/2016-040510.html
誕生仏.jpg
多くの方が日常では仏教とあまり接点がないといいますが、実は身近な言葉の語源にな
っていることも多く、私たちの生活に深く根付いています。
例えば
「有頂天」=仏教の三界(無色界、色界、慾界)の頂点(無色界)を指し、調子に乗っ
て良い状態から落ちないように戒める言葉。
「ありがとう」=たくさんの生き物の中で人間に生まれるのは非常に確率の低い「有り
難い」ことなので、人として生まれたこと自体に感謝しなさいという教えによるもの。
「経営」=「自分自身をどう生かすか」という仏教用語。
「往生」=極楽浄土に往って生まれ変わるという意味。
「玄関」=奥深い仏の道への入り口という意味。
など、ちょっと意外ですね。
また、4月9日からは、七十二候の「鴻雁北(こうがんかえる)」です。燕が南からやっ
て来る季節には、北に帰って行く鳥もいます。雁もそういう渡り鳥で、夏場をシベリア
で過ごすため、渡って行きます。
青森県津軽の外ヶ浜付近では、浜に打ち寄せられた木片を集めて風呂を焚く風習があり
、「雁風呂(がんぶろ)」といいます。この地方に伝わる民話によると、秋に雁が海を
渡って来るとき、海面に浮かべて休むための小枝を1本くわえて来るそうです。浜に着
くと小枝を落とし、次の春、また北へ帰るとき、同じ小枝を拾って帰るのだそうです。
ところが、雁たちが小枝を落とした浜には、春になっても拾われない小枝が残ります。
それは冬の間に死んでしまった雁たちのもの。浜の人たちは供養のためにその枝で風呂
を焚き、旅人たちに振る舞ったということです。じんわりと心に残るお話ですね。
「雁風呂」は春の季語や、落語の一席にもなっています。
【暮らしを彩る年中行事】灌仏会
http://www.i-nekko.jp/gyoji/2016-040510.html
【季節のめぐりと暦】七十二候
http://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
「十三詣り」で知恵もらい。七十二候「虹始見」、虹は何色?
旧暦3月13日、現在は4月13日に行われる「十三詣り」は、子どもの健やかな成長を願う
行事のひとつです。数え年で13歳になる子どもたちが13番目に生まれた「虚空蔵菩薩」
に参拝します。13歳は干支が一回りして最初に戻った初めての年であり、子どもがここ
まで成長したことを祝い、感謝を捧げます。また、最初の厄年の厄を払い、無病息災を
願います。関東ではあまり一般的ではありませんが、関西では盛んに行われています。
虚空蔵菩薩は、知恵や福徳を司るので、参拝すると大人として必要な知恵を授かるとさ
れています。そのため十三詣りは別名「知恵詣」「知恵もらい」ともいいます。ただし
、参拝の後、途中で後ろを振り返ってしまうと、いただいた知恵を落としてしまうので
、鳥居を出るまで振り返ってはいけないと伝えられています。十三詣りで有名な京都の
法輪寺では、桂川にかかる長い橋、渡月橋を渡り終えるまで振り返るのはNG。大人にな
るための最初の試練かもしれませんね。
また、4月14日から七十二候の「虹始見(にじはじめてあらわる)」になります。冬の
間、乾燥していた大気が潤うようになり、雨上がりの空に虹がかかるようになるという
意味です。淡く、消えやすい春の虹も次第にくっきりとしてきます。
その虹の色ですが、何色あるかご存じですか?「虹は七色に決まっている。そんなの常
識」という声が聞こえてきそうですが、実は世界から見れば常識とはいえないようです
。
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ちなみに虹の色は「赤、橙、黄、緑、青、藍、紫」の7色と私たちは思っていますが、6
色、5色、さらにはたった2色というところもあるのです。
同じ虹を見ているのに、どうしてでしょうか。詳しくはこちらをご覧くださいね。
【暮らしの中の歳時記】虹は何色?
http://www.i-nekko.jp/kurashi/2016-041110.html
【暮らしの作法】人生の通過儀礼/十三詣り
http://www.i-nekko.jp/sahou/tsuukagirei/jyuusanmairi/index.html
【季節のめぐりと暦】七十二候
http://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
【暮らしの中の歳時記】虹は何色?
http://www.i-nekko.jp/kurashi/2016-041110.html
雑節「春の土用」。旬の味「アスパラガス」をおいしく。
4月16日から雑節の春の土用に入ります。立夏の前の18日間が春の土用です。
土用は立春、立夏、立秋、立冬前の18日間(または19日間)をさし、年に4回あります
が、これは中国の陰陽五行説からきています。万物の根源とされる「木火土金水」を四
季にあてはめると、春=木、夏=火、秋=金、冬=水になり、土が余ってしまいます。
そこで「土」を立春・立夏・立秋・立冬前の約18日間にあてはめ、土用としました。う
なぎでお馴染みの「土用の丑の日」は、立秋前の夏の土用となります。
今ではほとんど気にしなくなりましたが、昔は土用に土を掘り起こすようなことはして
はいけないと言われていました。土用は土を司る土公神(どくじん/どこうじん)とい
う神様が支配する期間なので、土いじりをして神様を傷つけてはいけないと考えられた
からです。
でも、18日間、年に4回も農作業や工事などができないのは困りもの。そこで、考えら
れたのが「土用の間日」です。土公神が天上にのぼっている日は土いじりをしても良い
とされ、春は巳・午・酉にあたる日が間日なので、今回は、4月17日、18日、21日、29
日、30日、5月3日が土用の間日です。雑節というのは農作業との関わりが強いので、季
節の変わり目にあたる土用の時期に、農作業で体調を崩さないようにするための戒めで
もあったようです。
花や野菜の苗を植えるのに良い季節ですね。間日を選んで植えてみてはいかがでしょう
か。花や実の付きがよくなったりすると良いですね。
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さて、今が旬の野菜にアスパラガスがありますね。グリーンアスパラガスは一年中出回
っていますが、生のホワイトアスパラガスは今だけしか出回らないので、毎年楽しみに
しています。このグリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスは実は同じ種類のもの
。栽培方法の違いで、見た目も味も異なるアスパラガスになりました。アスパラガスの
調理のポイントなどをご紹介しています。
【季節のめぐりと暦】雑節/土用
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/zassetsu/doyou/
【食の歳時記・旬の味】アスパラガス
http://www.i-nekko.jp/shoku/2016-041410.html
「食べつなぐ」記事より
1)春は、
・もろこ焼き
・せり
せり、なづな、御形、はこべら、仏の座、すずな、すずしろ、これぞ七草。七草粥
・たけのこ、ふき たけのこご飯
・わらび
・わけぎ(二月から三月が食べごろ)
・しじみ(北小松でもよくとれた)しじみと大豆煮
・いたどり(四月から五月)いたどりの煮つけ
春は山菜の季節、4月、5月と色々な味が楽しめます。
お浸しでは、 カツオブシをまぶし醤油をかけるとサッパリ味で美味しい。
酢味噌和えや天ぷらにするのも1つ。
ノカンゾウ、クサソテツ(コゴミ)、たらの芽、ぜんまいなどはいかがですか。
「春の山菜と言えば?」のランキングでは、わらび、ぜんまい、つくし、
などに混じって、たらの芽が、堂々のランクイン入りしてます。
2)夏は、
・ハス(小骨の多い魚であり、みそ焼きなどが美味しい)
・こあゆ(北小松などでは昔から大地引網で捕っていた)天ぷらにするのが美味しい
・ごり(ハゼ科のこ魚の俗称)ごり煮といわれる佃煮が美味しい
この季節、きゅうり、枝豆、そら豆、にしんなす、などの野菜が美味しい。
4月25日から七十二候では「霜止出苗(しもやみてなえいずる)」になります。ようや
く霜が降りなくなり、苗代では種もみが芽吹いて青々とした苗に育っていく頃という意
味です。そろそろ田植えの準備が始まり、忙しくも活気に満ちた農家の様子が目に浮か
ぶようです。
さて、この時期ならではの楽しみの一つに「潮干狩り」があります。
潮干狩りが庶民の娯楽となったのは江戸時代。以来、大人も子どもも楽しめる春のレジ
ャーとして人気です。
主に獲れるのはあさりですが、あさりが太るのは春と秋。海の水も温み始める今頃があ
さりの旬です。あさりは古代から食用とされており、どこの干潟でも漁ると手軽に獲れ
たから「漁る」が転じて「あさり」になったといわれています。運が良ければはまぐり
なども獲れるかもしれませんね。
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潮干狩りにベストなのは春から夏の大潮の日。干潮の2時間前から干潮までの時間帯で
楽しむのがポイントです。
海上保安庁では日本の各管区の「潮干狩り情報(カレンダー)」をHPで提供しています
。
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/SODAN/shiohigari_calender/default.htm
ちなみに東京湾での次の大潮は5月の6日から10日の昼前後です。
せっかく出かけたならたくさん獲って帰りたいもの。持ち物などの準備や獲り方のコツ
をご紹介します。ゴールデンウィークは潮干狩りを楽しんでみてはいかがでしょうか?
【暮らしを彩る年中行事】ゴールデンウィーク
http://i-nekko.jp/nenchugyoji/sonohoka/gw/index.html
【暮らしの中の歳時記】潮干狩り
http://www.i-nekko.jp/kurashi/2015-042817.html
七十二候では明日から「牡丹華(ぼたんはなさく)」になります。花々が咲き乱れる中
、「百花の王」といわれる牡丹の花が開花する頃。全国各地の牡丹園では、艶やかな牡
丹の花が訪れる人の目を楽しませてくれるでしょう。
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牡丹は中国原産の落葉低木で、日本には奈良時代に伝わったという説があります。古く
から観賞用として栽培され、その美しさから昔から「立てば芍薬(しゃくやく)、座れ
ば牡丹、歩く姿は百合の花」と美人を表すことばにもなっています。この3つの花は容
姿だけはなく、立ち居振る舞いも美しい、そんな美人を表しているようです。容姿はと
もかく立ち居振る舞いだけでも、努力次第では美人に近づけるでしょうか......。
5月15日からは七十二候の「竹笋生(たけのこしょうず)」。筍が出てくる頃という意
味です。筍は古来よりまっすぐに育つとあって縁起の良いもの。生命力を凝縮したよう
な身はみずみずしく、野趣深いもの。シャキシャキとした食感も楽しめます。
竹冠に旬と書いて「筍」。旬は一旬、上旬、中旬、下旬などというように、10日ほどの
期間を表す言葉です。筍は成長が早く、10日ぐらいで竹になってしまうのでこの字が当
てられたそうです。
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竹にも種類があり、孟宗竹(もうそうちく)は3月中旬から5月にかけてが旬。その後、
淡竹(はちく)、真竹、根曲がり竹が旬を迎えます。孟宗竹は地面から穂先を出さない
うちに掘り出したものはアクがないそうですが、日にあたってしまうとアクが回ります
。
朝掘りといわれるように、朝掘ってすぐ食べるのが一番おいしい食べ方。朝掘り筍は穂
先をそのまま薄く切り、刺身にして食べられます。産地ならではのおいしい食べ方です
ね。
朝掘りとまではいかずとも皮付きの筍が手に入れば、甘みがあって香りの良い旬の筍料
理を家でも楽しめます。筍はアク抜きが肝心。最近は糠付きで販売していることも多い
ので、糠を加えて1時間ほどゆで、冷めるまでそのまま置きます。糠がないときはたっ
ぷりの米のとぎ汁で同じく1時間ほどゆでると良いでしょう。
筍といえば「筍ごはん」。筍を醤油、みりん、酒で煮たら、煮汁ごと炊き込みましょう
。
一口大に切った筍をだし汁と醤油、みりんで煮て大量のかつお節をかけた「土佐煮」や
、わかめと合わせた「若竹煮」なども定番中の定番。旬の味を楽しんでみてはいかがで
しょう。
また5月15日は、京都三大祭りである「葵祭」が行われます。
5月の葵祭(あおいまつり)、7月の祇園祭(ぎおんまつり)、10月の時代祭(じだいま
つり)が「京都三大祭り」といわれており、中でも「葵祭」は、平安貴族の姿そのまま
の優雅な王朝行列が、京都御所から下鴨神社を経て上賀茂神社へ向かう、京都三大祭り
を代表する祭りです。平安中期の貴族の間では「祭り」といえば「葵祭」を指しました
。
詳しくはこちらをご覧ください。
【季節の行事】京都三大祭り「葵祭」
http://www.i-nekko.jp/gyoji/2016-050210.html
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