薄灰色のとばりが湖面まで垂れ下がり、灰色の水面を覆う形で琵琶湖がいた。
その上には、わずかに残る力を振り絞るが如き姿で朝日がわずかな形を見せている。
既に比良山には、頂上を雪の切れ切れが白く大きく被っている。こちらも薄墨の
背景に浮かぶ山々の山水画の風情をしている。
その寒さは一段と厳しくなり、全ての動作を油の切れた機械の様で、見せている。
夏、秋と華麗な姿を見せていた家々の草花もすでに、茶色に変色し、人々の気持を
一段と寂しくする。志賀を詠う歌には、冬の頃のものが多いと言う。無常観を誘う
この情景が都人の心の襞に響くのかもしれない。
二十四節気「立冬(りっとう)」
立冬(11月8日頃)
本格的な冬の始まり。「立」には新しい季節になるという意味があり立春、立夏、立秋
と並んで季節の大きな節目となる。
・山茶始開(つばきはじめてひらく)11月7日頃
山茶花(さざんか)の花が咲き始める頃。椿と混同されがちだが、先駆けて咲くのは
山茶花。
・地始凍(ちはじめてこおる)11月12日頃
大地が凍り始める頃。サクサクと霜柱を踏みしめて歩くのが楽しみな時期。
・金盞香(きんせんかさく)11月17日頃
水仙が咲き芳香を放つ頃。キク科のキンセンカとは異なる。昔、中国で水仙の花の
黄色い部分を黄金の杯に、白い花弁を銀の台にたとえ「金盞銀台(きんせんぎんだい)」
と呼んだことが別称の由来だそうだ。
二十四節気「小雪(しょうせつ)」
小雪(11月23日頃)
気象庁の天気予報用語での「小雪」は「数時間降り続いても、降水量として1mmに達し
ない雪」だそうです。
・虹蔵不見(にじかくれてみえず)11月22日頃
陽の光も弱まり、虹を見かけなくなる頃。「蔵」には潜むという意味がある。
・朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)11月27日頃
北風が木の葉を吹き払う頃。「朔風」は北の風という意味で、木枯らしをさす。
・橘始黄(たちばなはじめてきばむ)12月2日頃
橘の実が黄色く色づき始める頃。常緑樹の橘は、永遠の象徴とされている。
二十四節気「大雪(たいせつ)」
大雪(12月7日頃)
山だけでなく平野にも降雪のある季節。寒さが日増しに厳しくなってゆく。
・閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)12月7日頃
空が閉ざされ真冬となる。空をふさぐかのように重苦しい空が真冬の空。
琵琶湖の水もその重苦しさを増す。
・熊蟄穴(くまあなにこもる)12月12日頃
熊が穴に入って冬ごもりする頃。何も食べずに過ごすため、秋に食いだめをする。
・さけ魚群(さけのうおむらがる)12月17日頃
鮭が群がって川を上る頃。川で生まれた鮭は、海を回遊し故郷の川へ帰り来る。
二十四節気「冬至(とうじ)」
冬至(12月22日頃)
日照時間が減り、夏至と反対に夜が最も長く昼が短い日。冬至にかぼちゃを食べるのは
風邪を引かない、金運を祈願するというような意味があるそうだが。
・乃東生(なつかれくさしょうず)12月22日頃
夏枯草が芽をだす頃。夏至の「乃東枯」に対応し、うつぼ草を表している。
・麋角解(さわしかのつのおつる)12月27日頃
鹿の角が落ちる頃。「麋」は大鹿のことで、古い角を落として生え変わる。
雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)1月1日頃
雪の下で麦が芽をだす頃。浮き上がった芽を踏む「麦踏み」は日本独特の風習。
二十四節気「小寒(しょうかん)」
小寒(1月5日頃)
寒さが最も厳しくなる前、これから寒さが加わる頃という意味で、いわゆる「寒の入り
」である。小寒から節分までの30日間を「寒の内」といい、寒さが厳しくなり冬本番を
迎える。最近は、この頃、大雪が多い。
・芹乃栄(せりすなわちさかう)1月5日頃
セリが盛んに生育する頃。冷たい沢の水辺で育つセリは春の七草のひとつとしてもよく
知られている。1月7日に無病息災を願って食べる「七草粥」にも入れられる。セリ
には鉄分が多く含まれ、増血作用が期待できるとも言われている。
・水泉動(しみずあたたかをふくむ)1月10日頃
地中で凍っていた泉が動き始める頃。かすかなあたたかさを愛おしく感じる時期。
・雉始なく(きじはじめてなく)1月15日頃
雉が鳴き始める頃。雄がケーンケーンと甲高い声をあげて求愛する。
二十四節気「大寒(だいかん)」
大寒(1月20日頃)
冬の最後の節気、一年で最も寒い時期です。
・款冬華(ふきのはなさく)1月20日頃
雪の下からふきのとうが顔をだす頃。香りが強くほろ苦いふきのとうは早春の味。
・水沢腹堅(さわみずこおりつめる)1月25日頃
沢に厚い氷が張りつめる頃。沢に流れる水さえも凍る厳冬ならではの風景であろう。
・鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)1月30日頃
鶏が鳥屋に入って卵を産み始める頃。本来、鶏は冬は産卵せず、春が近づくと卵を
産んだそうだ。
冬
山眠る
二十四節気「立冬(りっとう)」
・山茶始開(つばきはじめてひらく)11月7日頃
山茶花(さざんか)の花が咲き始める頃。椿と混同されがちですが、先駆けて咲くのは
山茶花です。
→みかん。ひらめ。
・地始凍(ちはじめてこおる)11月12日頃
大地が凍り始める頃。サクサクと霜柱を踏みしめて歩くのが楽しみな時期です。
→ほうれんそう、茶の花。毛蟹。
・金盞香(きんせんかさく)11月17日頃
水仙が咲き芳香を放つ頃。「金盞」は金の盃のことで、水仙の黄色い冠を
見立てています。
→れんこん、水仙。甲いか。まひわ(冬を告げる鳥)
二十四節気「小雪(しょうせつ)」
小春日和(旧暦10月を小春、暖かな陽射し包まれ陽気になる日がある)
・虹蔵不見(にじかくれてみえず)11月22日頃
陽の光も弱まり、虹を見かけなくなる頃。「蔵」には潜むという意味があります。
→りんご、野茨。くえ。新嘗祭
・朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)11月27日頃
北風が木の葉を吹き払う頃。「朔風」は北の風という意味で、木枯らしをさします。
→白菜、やつで。かわせみ。かます。
・橘始黄(たちばなはじめてきばむ)12月2日頃
橘の実が黄色く色づき始める頃。常緑樹の橘は、永遠の象徴とされています。
→橘(常緑樹で黄色の実)、セロリ。ぼら(はく、すばしり、おぼこ、いな、ぼら、と
ど)。
二十四節気「大雪(たいせつ)」
・閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)12月7日頃
空が閉ざされ真冬となる。空をふさぐかのように重苦しい空が真冬の空です。
→ふろふき大根。ぶり。大鷺。
・熊蟄穴(くまあなにこもる)12月12日頃
熊が穴に入って冬ごもりする頃。何も食べずに過ごすため、秋に食いだめをします。
→ねぎ、椿。牡蠣。
・鮭魚群(さけのうおむらがる)12月17日頃
鮭が群がって川を上る頃。川で生まれた鮭は、海を回遊し故郷の川へ帰ります。
→にら。鮭。むみらさきしじみ。
二十四節気「冬至(とうじ)」
冬至梅がある。
・乃東生(なつかれくさしょうず)12月22日頃
夏枯草が芽をだす頃。夏至の「乃東枯」に対応し、うつぼ草を表しています。
→柚子、千両、万両。まぐろ。こげら。
・麋角解(さわしかのつのおつる)12月27日頃
鹿の角が落ちる頃。「麋」は大鹿のことで、古い角を落として生え変わります。
→かぼちゃ。鯉。おなが。
・雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)1月1日頃
雪の下で麦が芽をだす頃。浮き上がった芽を踏む「麦踏み」は日本独特の風習です。
→百合根。イセエビ
初茜(初日直前の茜空。夜の暗がりから白み、明るみ、茜に染まる東雲しののめの空。
二十四節気「小寒(しょうかん)」
・芹乃栄(せりすなわちさかう)1月5日頃
芹が盛んに育つ頃。春の七草のひとつで、7日の七草粥に入れて食べられます。
→春の七草(せり、なずな、ごぎょう(ははこぐさ)、はこべら(はこべ)、
ほとけのざ(こおにたびらこ)、すずな(蕪)、すずしろ(大根)。鱈。
・水泉動(しみずあたたかをふくむ)1月10日頃
地中で凍っていた泉が動き始める頃。かすかなあたたかさを愛おしく感じる時期です。
→春菊、柊。こまい(氷下魚)。寒九の雨。
・雉始?(きじはじめてなく)1月15日頃
雉が鳴き始める頃。雄がケーンケーンと甲高い声をあげて求愛します。
→蕪、蝋梅(蝋月)。雉。鮟鱇。
二十四節気「大寒(だいかん)」
・款冬華(ふきのはなさく)1月20日頃
雪の下からふきのとうが顔をだす頃。香りが強くほろ苦いふきのとうは早春の味。
→小松菜、南天。赤貝。あおじ。
・水沢腹堅(さわみずこおりつめる)1月25日頃
沢に厚い氷が張りつめる頃。沢に流れる水さえも凍る厳冬ならではの風景です。
→水菜、福寿草。わかさぎ。じょうびたき。
・鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)1月30日頃
鶏が鳥屋に入って卵を産み始める頃。本来、鶏は冬は産卵せず、春が近づくと卵を産み
ました。
→金柑。めひかり。
俳句 冬
湖の鏡にさむし比良の山 支考
春遅し敦賀の津まで比良の雪 素堂
比良三上雪さしわたせ鷺のはし 芭蕉
寒梅やさす枝に白き比良嶽 巴人
和歌 冬
・楽浪の比良の山風の海吹けば
釣する海人あまの袖反かえる見ゆ
・吹き迷う雲をさまりし夕なぎに
比良の高ねの雪を見るかな 為美
・夕づく日比良の高ねを眺むれば
くるるともなき雪の白妙 元恒
・近江路や北より冬はきにけらし
比良の大山まづしくつつ 公朝
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